2011 Fiscal Year Annual Research Report
ELF帯電磁波観測網整備と地殻変動検知システム開発に関する研究
Project/Area Number |
20246068
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
内匠 逸 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (30188130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安川 博 愛知県立大学, 情報科学部, 教授 (00305517)
北村 正 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (60114865)
藤原 修 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (60135316)
王 建青 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (70250694)
平野 智 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (90238379)
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Keywords | ELF異常電磁波 / 地震前兆 / 地殻活動検知 / 環境電磁波観測 / HMM / フラクタル解析 / 行列因子分解 |
Research Abstract |
ELF帯環境電磁波観測網整備と、得られるデータの解析により地殻活動を検知することを目的として、主に、観測システム性能向上、電磁環境モデルの構築、雑音除去、異常検知、特徴抽出について研究を進めた。データ欠損を最小限に抑え、データの蓄積を行った。成果、実績の概要は以下の通りである。 1.観測網のシステムの性能向上商用電源雑音の揺らぎに対応できるよう、ディジタル適応フィルタの改良を図り、良好な特性を確認した。また、高調波対策のため急峻な櫛形フィルタを独自に設計した。これにより、以後の高精度な観測が期待できる。 2.電磁環境モデルの構築ELF帯空電が電離層において、地震や地磁気脈動の電磁界によって変調され、地表において検知できる観測モデルを新たに提示した。 3.L1ノルムを最小化するNMFを用いて地殻由来電磁波の源信号が推定できる可能性を示した。 4.異常検知(1)環境電磁波の月別の定常モデルを作成し、モデルの統合の最適化により、地震の前兆と考えられる信号の検出率の向上を図った。また、観測波形と観測波形に対してメディアンスムージングを取った信号の差を対象として尖度の計算を行い、地震の前兆と考えられるパルス性の異常放射を検出する方法を提案した。(2)2011年3月9日に宮城県沖で発生したM7.3の地震の直後から、ELF帯の異常を検知した。また、長期的な変化として、地震発生の3ヶ月前から地震発生後まで、電磁波放射の平均レベル上昇現象がみられた。これは、過去10年間ではじめてであった。 5.特徴抽出学習データ(14日間)よりも短い期間の振幅密度分布から抽出した入力シンボルを学習済みHMMに入力することを検討した。シミュレーション結果より、異常パターンに含まれる異常信号の放射期間に伴い、受理確率が低下することが判明した。
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Research Products
(13 results)