Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 雅一 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (10144346)
山崎 剛 東北大学, 理学研究科, 准教授 (80220317)
熊谷 朝臣 九州大学, 農学研究院, 准教授 (50304770)
兒玉 裕二 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (70186708)
小谷 亜由美 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教 (80447242)
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Research Abstract |
21年度には,各グループで継続して現地観測を行い,年度末に本年度の成果報告と次年度以降の研究のために研究集会を行った.本年度の主な研究成果は以下のとおりである.課題番号は申請書の記述に対応する. 本研究課題で使用する9サイトの観測データを整理してデータセットを作成し,熱帯から寒帯までの環境要因の変動特性の地域性を日スケールから年スケールまで一瞥できるようになった(課題1).これらのデータセットと植物個体および群落スケールでの観測結果より,熱帯林落葉林での展葉次期や葉の成長速度と土壌水分の関係,常緑林での霧の水収支への影響,寒帯林での近年の土壌湿潤化条件下での樹木への影響など,各気候帯の森林での環境応答特性の地域性が明らかになってきた(課題2,3).また,樹高,葉量,密度などの異なる森林において,空気力学的な輸送特性には相似関係が保たれたが,CO2や水蒸気輸送特性はそれぞれの森林による違いがみられた(課題4).モデル研究では,寒温帯林,熱帯林のそれぞれを対象に開発されたモデルを相互に対象を入れ替えて,結果の特徴を検討した.前者では熱帯林乾季での蒸発散を再現できず,これらの地域間では樹木の水利用に違いがあることが示唆された.後者では寒帯林の群落葉量が群落各層の蒸散,光合成に大きく影響することが特徴的であった(課題5). 以上のように,現地観測とモデル研究の両面から,地域性(多様性)の比較が進んでいる.これらの結果を踏まえてWEC循環の普遍性を定量化することを次年度から進めていく予定である.
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