2009 Fiscal Year Annual Research Report
森林資源保全のための樹木遺伝子バーコードの基盤構築と有効性に関する研究
Project/Area Number |
20248017
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
吉丸 博志 独立行政法人森林総合研究所, 森林遺伝研究領域, 領域長 (20353914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 三男 東北大学, 植物園, 教授 (80111483)
伊藤 元己 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (00193524)
舘田 英典 九州大学, 理学研究院, 教授 (70216985)
津村 義彦 独立行政法人森林総合研究所, 森林遺伝研究領域, 室長 (20353774)
藤井 智之 独立行政法人森林総合研究所, 関西支所, 支所長 (60353835)
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Keywords | 日本産樹木 / バーコード / 種識別 / 葉緑体DNA / 塩基配列情 |
Research Abstract |
樹木のいかなる部位(葉、材、根、花粉、標本など)からでも樹種の特定が可能にするため、DNAバーコード情報の構築と分析手法の確立を目指し、日本産樹木を中心として、資料の採取、DNA解析を行っている。森林総研と東北大学との共同による木材標本庫の活動として、以前から日本産樹木種について木材標本、さく葉標本、乾燥葉試料の収集が行われてきたが、生葉からのDNA抽出は行われず、常温保管のみであったため、試料としては十分ではない部分があった。現在まで約1700個体、546種・亜種・変種のサンプルのDNA抽出が行われ解析にかけられている。新たな試料の収集として、本年は茨城県北部、岩手県南部、北海道道南の3地域から470個体の木材標本、さく葉標本、DNA用葉試料の収集を行った、これらのサンプルは、「木材標本庫データベース」に合わせて登録し、情報公開の準備を進めている。 本年収集したサンプルの生葉、および保管されていた乾燥葉試料からのDNA抽出を順次進め、葉緑体DNAのtrnH-psbA間領域とrbcL部分配列(約700bp)のPCR増幅およびシークェンスを行い、前者の領域で約1000サンプル、後者の領域で約1600サンプルのシークェンスを得た。解析を行った結果、trnH-psbA間領域で83%、rbcL部分配列で55%、両方のデータを使用することで87%の種同定が可能であった。得られたシークェンスは、ホモロジーサーチにかけるなど近縁種との関係を確認した後に、確実なものとしてデータベースに入力することになり、将来的に、これまで同定困難であった、組織の一部分の断片からでも樹種の同定が出来るようになる。
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