2012 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン・ケモカインを指標とする包括的分子法医診断学の確立
Project/Area Number |
20249040
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
近藤 稔和 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70251923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 裕子 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10364077)
木村 章彦 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (60136611)
池松 和哉 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80332857)
宮石 智 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90239343)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 分子法医診断学 / サイトカイン / ケモカイン / 遺伝子欠損マウス / 敗血症 / 薬物中毒 / 心不全 / 深部静脈血栓 |
Research Abstract |
敗血症モデル:マウス盲腸の結紮・穿刺による敗血症モデルを用いて,敗血症におけるケモカインレセプターCCR1,CCR5およびそのリガンドCCL3の役割を遺伝子欠損マウスを用いて行った.CCL3およびCCR5の遺伝子欠損マウスでは敗血症による死亡率が野生型マウスに比較して有意に増悪したが,CCR1遺伝子欠損マウスでは野生型マウスと同程度の死亡率であった.実際,腹腔内の細菌数もCCL3およびCCR5の遺伝子欠損マウスで有意に多かったが,CCR1遺伝子欠損マウスでは野生型マウスに比べて腹腔内細菌数に有意な差は認められなかった.また,血清中の肝逸脱酵素もCCL3およびCCR5の遺伝子欠損マウスでのみ有意に上昇していた.したがって,これらの結果はCCL3-CCR5が殺菌作用に密接に関与していることを示唆し,敗血症においては保護的役割を有する重要なケモカインシステムであると判明した. 虚血・再灌流骨格筋傷害モデル:マウスの片側後肢をゴムバンドで1時間結紮後,再灌流による骨格筋傷害におけるケモカインレセプターCX3CR1の役割解析をCX3CR1遺伝子欠損マウスを用いて行った.CX3CR1遺伝子欠損マウスでは,野生型マウスに比べて,再灌流後の骨格筋の浮腫率や筋組織のViabilityが有意減弱し,虚血・再灌流による骨格筋傷害が軽減していた.また,免疫組織化学的には,CX3CR1遺伝子欠損マウスでは傷害部における好中球浸潤が有意に減弱していたが,マクロファージの浸潤は同程度であった.さらに,iNOS, COX-2, IL-1およびTNFαの遺伝子発現は,CX3CR1遺伝子欠損マウスで有意に減弱していた.これらの結果から,CX3CL1-CX3CR1が好中球浸潤に密接に関与することによって,虚血・再灌流骨格筋傷害において傷害因子として重要な役割を果たしていることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(39 results)