2011 Fiscal Year Annual Research Report
Nek2を標的にした包括的癌治療法の開発とそのトランスレーショナルリサーチ
Project/Area Number |
20249062
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
二村 雄次 愛知県がんセンター(研究所), 総長 (80126888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 力 愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学部, 研究員 (60303632)
梛野 正人 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20237564)
横山 幸浩 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 寄附講座講師 (80378091)
國料 俊男 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (60378023)
千賀 威 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80419431)
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Keywords | Nek2 / 分子標的治療 / トランスレーショナルリサーチ |
Research Abstract |
<Nek2の基礎的研究と臨床病理学的研究> real time PCRによるNek2の発現の検討のため、胆管癌症例29例に追加で71例の胆管癌組織からRNAの抽出を行い、cDNAを作成した。 胆管癌細胞株HuCCT1、膵癌細胞株KLMへのNek2 siRNAの投与後のDNAアレイ法による網羅的遺伝子解析により、Nek2 siRNAの作用機序に関する遺伝子を同定した。これらの遺伝子に関する機能解析を行っている。 <抗癌剤、放射線との併用による包括的治療法の開発> 膵癌細胞株KLMへのNek2 siRNAと抗癌剤CDDPの併用投与後に発現亢進していた遺伝子が恒常的に発現抑制されている癌細胞株をshRNA(short haitpin RNA)を用いて樹立した。この細胞株を用いて増殖能に関してMTTアッセイ、浸潤能に関してインベーションアッセイを行ない、浸潤に関与していることを明らかにした。 <Nek2 siRNA包括的分子標的治療法のトランスレーショナルリサーチ> 臨床応用のためのラットを用いたNek2 siRNAの非GLP下の非臨床試験を行った。いずれの試験でも毒性所見は認めなかった。Nek2 siRNAの抗腫瘍効果のための有効量は、腫瘍容積約1cm3あたり148μgであり、無毒性量(NOAEL:No Obeserved Adverse Effect Levels)は3.7(mg/kg)、ヒト等価用量(HED:Human Equivalent Dose)は0.57(mg/kg)であった。これらの結果よりNek2 siRNAの最大推奨初期投与量(MRSD:Maximum Recommended Starting Dose)が0.0285(mg/kg)であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Nek2 siRNAの最大推奨初期投与量を明らかにしている。倫理委員会に膵癌手術不能症例に対してNek2 siRNAの局所投与によるトランスレーショナルリサーチを申請し、審議中である。
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Strategy for Future Research Activity |
倫理委員会よりNek2 siRNAの局所投与時の血中移行に関する検討が必要と指摘されたため、血中移行に関して現在研究を行っている。倫理委員会承認後GMP基準のNek2 siRNAを作成し、膵癌手術不能症例に対してNek2 siRNAの局所投与のよるトランスレーショナルリサーチを行う。
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Research Products
(1 results)