2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20249082
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
野口 俊英 Aichi Gakuin University, 歯学部, 教授 (50014262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 俊男 理化学研究所, 応用システムバイオロジー研究チーム, 副チームリーダー (00311340)
森田 英利 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (70257294)
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Keywords | メタゲノム解析 / 口腔細菌叢 / 歯周病関連細菌 / 歯周炎 / ゲノムDNA抽出 / 歯肉縁上プラーク / 歯肉縁下プラーク |
Research Abstract |
平成21年度は、まず、20年度より継続して、愛知学院大学歯学部附属病院にてプラークサンプルの採取を行った。20年度分との合計で、健常者10名、歯周炎患者16名分の42サンプルを採取した。これらを麻布大学へ輸送し、メタゲノムDNAの抽出及び精製を行った。精製したDNAをMDA法にて全ゲノム増幅処理を行い、シークエンスのサンプルとした。理化学研究所において、それらの増幅DNAサンプルについて、次世シークエンサーにて塩基配列の決定を行った。これまでに、健常者1名、歯周病患者2名分のサンプルについて、非増幅のDNAも含め合計7サンプルのシークエンスを実施し、合計約43万リード、1633Mbの塩基配列データを得た。得られた配列に基づき細菌種の系統解析を行ったところ、これまでの予想を超える細菌種の多様性が見られた。健常者サンプルでは、Streptococcusなどのグラム陽性菌が細菌叢の主体であり、また、歯周病患者では、いわゆる歯周病原細菌が多く存在することが確認された。機能特性の解析については、予測したORFに対しCOGデータベースにて機能検索を行ない、各サンプルの遺伝子の機能的プロファイルを比較した。これまでの解析で、各サンプル間における機能特性の類似性が認められた。これは歯肉縁上、縁下に共通な口腔内環境が選択圧として作用しているためと考えられる。口腔内とは異なる環境の細菌叢との違いを確認するため、海洋細菌叢との機能特性比較を行ったところ、明確な違いが確認された。特に、口腔細菌叢においては、防御機構や糖代謝に関する遺伝子が多い傾向にあり、口腔内の細菌がヒトの生体防御機構から逃れる機能を進化させてきた可能性も考えられた。これまでの解析結果により、従来の研究手法では判明しなかった、口腔細菌叢の機能的特徴が明らかになりつつある。メタゲノム解析は、歯周病をはじめとする口腔感染症の実態解明に非常に有用である。22年度も継続して解析を進めていく予定である。
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Research Products
(3 results)