2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20251007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
泉 拓良 Kyoto University, 文学研究科, 教授 (30108964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南川 高志 京都大学, 文学研究科, 教授 (40174099)
清水 芳裕 京都大学, 文化財総合研究センター, 准教授 (90127093)
冨井 眞 京都大学, 文化財総合研究センター, 助教 (00293845)
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Keywords | フェニキア / カルタゴ / 考古学 / 地下墓 / ローマ時代 / ディオニソスの仮面 / ケルクワーン / 都市景観 |
Research Abstract |
平成21年度は、レバノンでの発掘調査と、チュニジアでの踏査とこれまでの研究の成果発表が研究成果であった。以下に成果を地域に分けて記す。 1.レバノン レバノンでは世界遺産ティール遺跡郊外のラマリ地区199番地で昨年度発見した地下墓TJ10の発掘調査を行った。TJ10は、出土した遺物、特に特徴的なランプからローマ時代紀元後2世紀の地下墓であることが明らかになった。入り口は西方に開き、中央の墓室は2.3×4.3mと通常の規模であったが、北壁と南壁、西壁に追加の墓室が作られ、今まで調査された地下墓の中では最大級の規模を持つ。調査は完了していないが、出土遺物には、完形の陶棺やディオニソスの仮面、完形のガラス製・陶製ウンゲンタリウム、陶製ランプ等、当時の埋葬習慣や年代を知りうる貴重な資料が含まれている。平成22年度には、未盗掘の可能性のある、北墓室を調査する予定である。今回は遺構の調査の重点を置いたので、遺物の調査は十分にできなかった。 2.チュニジア チュニジアでは、カルタゴ時代に繁栄したカルタゴ遺跡とケルクワーン遺跡を中心に遺跡の景観と建築遺構、GPSによる位置計測を主題にすえ、踏査を行った。また、各地の博物館に展示されている遺物の撮影を許可を得ておこない、フェニキアとカルタゴの考古学的属性比較研究の資料を収集した。踏査の期間中、チュニス郊外のハマメットで開催されたフェニキア・カルタゴに関する第7回国際学会で、昨年度の成果の発表をし、また、文献等資料収集を行った。 3.平成21年度成果についてのパンフレットの作成・印刷
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Research Products
(5 results)