2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20300069
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
加藤 宏明 National Institute of Information and Communications Technology, ユニバーサルメディア研究センター超臨場感システムグループ, 専門研究員 (20374093)
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Keywords | 知覚認知学習 / 音声言語情報処理 / 聴覚 / 時間的側面 / 韻律 / 音声言語習得 / 国際情報交換 / 大韓民国:タイ:アメリカ |
Research Abstract |
本研究の目的は、音声の韻律的側面の知覚について人間が内的に行う処理を模擬した計算アルゴリズムを構築し、それを利用して第二言語習得を支援することである。より具体的には、リズムやテンポなどの時間構造と基本周波数の時間変化パターンを対象に、学習者の発話の良し悪しを客観的に評価するしくみを提供する。 平成21年度は,当初予定どおり、初年度に立ち上げた心理物理モデル,言語適応モデル,客観評価モデル,モデルの実証の4つのサブテーマをそれぞれ個別に推進した。主要な成果は以下のとおりであった。 タイ語話者の英語習熟度を、学習者音声の時間制御特性から客観的に予測することに成功した。従来手法と異なる点は、評価の基準となるお手本の母語話者音声を必要としないことである。その替わりに、音声合成規則により生成される英語の時間構造情報を基準とした結果、お手本音声を使った従来手法を凌ぐ予測精度を得た。これは,学習者音声のテキストに制約のない自由度が高い評価技術の実現に資する成果である。 予定していた韓国語話者による日本語長短音韻の聞き取り学習実験に着手した。まず、学習する項目を絞ることで、PC支援による短期間(5日間)の聞き取り訓練でも有意な成績向上が見られることが分かった。さらに、訓練による聞き取り能力の向上が、発話能力にも般化する傾向のあることが示された。以上の成果を発展させることで、効率の良い第二言語習得支援方法を設計することが可能となる。
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Research Products
(21 results)