2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20300069
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
加藤 宏明 独立行政法人情報通信研究機構, ユニバーサルコミュニケーション研究所・多感覚・評価研究室, 専攻研究員 (20374093)
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Keywords | 知覚認知学習 / 音声言語情報処理 / 聴覚 / 時間的側面 / 韻律 / 音声言語習得 / 国際情報交換 / 大韓民国:豪州:アメリカ |
Research Abstract |
本研究の目的は,音声の韻律的側面の知覚について人間が内的に行う処理を模擬した計算アルゴリズムを構築し,それを利用して第二言語習得を支援することである。より具体的には,リズムやテンポなどの時間構造と基本周波数の時間変化パターンを対象に,学習者の発話の良し悪しを客観的に評価するしくみを提供する。 平成23年度は,手動による音声データのラベリング処理に注力した。これには,前年度に定めた統一基準を用いた。これにより,時間的に精度が高くかつ音声学的に精密な音韻分節情報を持つ音声データベースの構築に着手できた。以上は学習実験の具体的な枠組みの構築に不可欠な要素である。その他の主要な成果は以下のとおりであった。 韓国語話者による日本語長短音素の聞き取りおよび学習における誤反応の原因を多面的に調査した結果,音の強さに対応する心理物理量(ラウドネス)に関連するらしいことが分かった。この結果は,韻律知覚モデルの構築において言語固有の学習阻害要因を処理するために役立てる。 オーストラリア音響学会の日本語教育コミュニティの招きでMacquarie大学(Sydney)にて日本語長短音素の知覚的手がかりのテーマで講演し,さらに本補助金を受けて開発した実験用の学習ソフトウェアを紹介した。近年,オーストラリアでは,日本語学習者の数が第二言語学習者の中で1番目あるいは2番目に多いため,豪州各地から多数の関係者が参加し,学習者支援のための基礎理論と実践に関する広範な情報交換を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各要素課題別に見れば,予定より進んだものも,遅れが出ているものもあるが,全体としてはおおむね順調である。計画していた国際イベントも当初予定通りの時期と規模で実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)心理物理モデルの構築では、既に基本的な知覚特性の取得に目処がついたので、今後は実験的検討を縮小し、後続モデルへの情報統合の仕組み作りを中心に進める。これまでに得られた成果の社会還元にも注力する。 (2)言語適応モデルの構築では、これまでの検討で、言語に依存する側面が想定したものよりも多岐にわたることが明らかになったため、今後も、実験的検討を中心に進める。 (3)客観評価モデルの構築では、心理物理モデルによって抽出された情報を各言語に固有の特性にしたがって統合し、実証に提供できる形に整える作業を進める。 (4)モデルの実証では、構築した第二言語学習実験の枠組みにしたがって、複数の異なる母語の学習者を対象に、学習実験を実施する。
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Research Products
(7 results)