2010 Fiscal Year Annual Research Report
運動習慣の形成・継続を支援するための家庭用体操ロボットの有用性の検討
Project/Area Number |
20300223
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
種田 行男 中京大学, 情報理工学部, 教授 (30185178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 基 愛知みずほ大学, 人間科学部, 講師 (50410634)
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Keywords | 健康教育 / 運動習慣 / 体操ロボット / 膝痛緩和 / 体操 |
Research Abstract |
【目的】運動習慣の継続を支援するために開発した家庭用体操ロボットの短期的および長期的効果を検討した. 【方法】対象者は平成20~22年度に名古屋市北保健所が開催した「楽ひざ体操講座」に自主的に参加し中高年者108名(男性7名、女性101名:平均年齢70.9歳±標準偏差6.6歳)であった.対象者はロボット体操群(42名)と対照群(66名)に無作為に割付けた.短期介入は3ヶ月間を介入期間として,楽ひざ体操(膝屈伸運動,大腿四頭筋の収縮,大腿四頭筋のストレッチ,ハーフスクワット)を自宅で毎日実施した.ロボットはヴィストン社製Robovie-X(高さ343×幅180mm,重量1.3kg)を使用した.本ロボットに楽ひざ体操を模擬する動作プログラムを搭載し,ロボット体操群は介入期間を通して本ロボットと一緒に体操を行った.一方,長期介入は平成21年度に短期介入を修了した者33名(ロボット体操群14名,対照群19名)を対象に,短期と同内容の介入をさらに6か月間継続した.体操実施率は対象者が自己記入した体操記録を用いて算出した. 【結果】短期介入後の「体操実施率」は時間が経つにつれて,両群ともに有意に減少したものの,時点と群の2要因間に交互作用は認められなかった.短期介入後の膝痛状況(WOMACスコア)は両群ともに有意に改善したが,時点と群の2要因間に交互作用は認められなかった.長期介入後の体操実施率およびWOMACスコアを両群間で比較した結果,いずれも時点と群間の交互作用は認められなかった.しかしながら,ロボット体操群において体操の完全中止者が有意に少なかった(p=0.040). 【結論】本研究では体操ロボットによる体操実施の継続および膝痛の緩和に対する短期および長期的介入効果は明らかにならなかった.しかしながら、長期介入によって体操中断の回避および膝痛改善の可能性が示唆された.
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