2008 Fiscal Year Annual Research Report
習慣的身体活動はホモシステイン分解酵素遺伝子変異に伴う動脈硬化を予防するか?
Project/Area Number |
20300231
|
Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
宮地 元彦 National Institute of Health and Nutrition, 健康増進プログラム, 運動ガイドラインプロジェクトリーダー (60229870)
|
Keywords | 身体活動 / 動脈硬化 / 葉酸 / ホモシステイン / MTHFR / 食事・栄養 |
Research Abstract |
メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)遺伝子の677番目の塩基の変異(C⇒T)により誘発される高ホモシステイン血症は循環器疾患の独立した危険因子であることが知られているが、運動習慣や食習慣が高ホモシステイン血症改善や動脈硬化に関連するか否かに関しては明らかにされていない。そこで本研究では、MTHFR遺伝子多型と生活習慣の違いと、血中ホモシステイン濃度や動脈硬化指標との関連について350名の健康な成人を対象とした横断研究により明らかにすることを目的とした。 MTHFR677SNPのTT型を有する者は、CC、CT型を有する者よりも、有意にホモシステイン濃度が高かった。TT型を有する者において、食事頻度調査(BDHQ)で評価した食品・栄養素摂取量のうち葉酸摂取量が多い者では、少ない者と比較して、血清ホモシステイン濃度が有意に低値を示した。しかし、CC型、CT型では葉酸摂取量と血清ホモシステインとの関連はなかった。3次元加速度計で評価された3メッツ以上の強度の身体活動量も血清ホモシステイン濃度とは関連が見られなかった。さらに、心筋梗塞や脳卒中の独立した危険因子である、頸動脈IMTとPWVは、MTHFR遺伝子多型や葉酸摂取量とは有意差が見られなかった。 MTHFR遺伝子の677番目の塩基の変異(C⇒T)により誘発される高ホモシステイン血症は、食品からの十分な葉酸摂取量により抑制されることが示唆された。
|