2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20300247
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
佐藤 和人 日本女子大学, 家政学部, 教授 (40187175)
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Keywords | 免疫 / 栄養 / アレルギー / 関節炎 / 生活習慣病 |
Research Abstract |
研究I関節炎モデルマウスにおける高脂肪食の影響:本研究では高脂肪食を摂取した関節炎モデルマウスは炎症状態・関節破壊が著しく進行した。高脂肪食を摂取した関節炎モデルマウスにおいて全身免疫機能の変化とともに脂肪組織間質中のマクロファージ浸潤および、MCP-1産生が増加した。さらに、レプチン・アディポネクチンの産生低下を認めたことから脂肪組織の形質的・機能的変化が示唆された。また関節炎発症初期からの脂肪組織の変化が病態に及ぼす影響、すなわち食餌因子の重要性が推測された。そのため、関節リウマチでは発症早期から適正エネルギーを摂取し炎症に伴う体重減少・低栄養状態の予防が必要である。さらに、内臓脂肪の是正を行い、酸化ストレスや炎症反応を増強させないためにも、脂肪の種類や摂取量が重要な因子と考えられる。 研究II:鼻炎アレルギーモデルにおけるアルコール摂取の影響:普通食摂取時のアルコール摂取ではC57BL/6N・BALB/cどちらのマウスにおいても免疫機能に変化を認めたが、その変化の内容は異なる。さらに高脂肪食とアルコールの両方を摂取した場合は、免疫機能がTh1型に傾きやすくアレルギーを発症しにくいC57BI/6Nでは誘導したアレルギーの病態が悪化する可能性が示唆されたのに対し、Th2型に傾きやすくアレルギーを発症しやすいBALBでは免疫機能に変化は見られなかった。以上のことから本研究においては、遺伝的にアレルギー発症リスクの低い免疫状態である方が食餌因子の影響を強く受けて免疫状態が変化しやすく、アレルギーを誘導した場合にはアレルギーが悪化する可能性があると考えられる。本研究によりアルコールが免疫機能に及ぼす影響は、遺伝的素因や食餌環境の違いによって異なる可能性が示唆された。
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Research Products
(13 results)