Research Abstract |
研究成果を総括し、主と部分を次の書籍にまとる出版した。また成果の一部分分開セミナーの形で世に問うた。即ち、(1)橋本・鶴岡・川上編著『現代理科教育改革の特色とその具現化-世界の科学教育改革を視野に入れて-』(東洋館出版社)の出版と、(2)「現代理科教育改革セミナー」の開催である。 書籍では,まず,現代日本の理科教育改革についての特色を掲示し,その背景を国際比較調査結果と関連付けて解明した。次いでこれらを基礎として,新学習指導要領の力点である内容の構造化,言語活動,活用力,ものづくり,実社会・実生活との関連付け,キャリア教育なでの重視について検討した。更に,アルリカ,イギリス,ドイツ,フランス,及びフィンランドについて,科学教育の理念と改革の方向性,教育課程の構成視点,特色あるプログテム・教科書,教材等の調査結果を整理した。 本書のまとめた研究を通して,(1)理科教育という営みは,その目的,カリキュラム構成,教科書編集方針,そして学習指導の基本方針等が一貫して把握される必要かせあること,(2)我が国の理科教育は,実社会・実生活,あるいは他教科との関連を尊重すること,(2)実験・観察のみならず,多面的な学習活動に目を向けつつあること,(3)とりわけ言葉や文章をも尊重する動きが出てきたこと等から,欧米に接近する方向性が見て取れること等を明らかにした。 2010年11月開催の「理科教育改革セミナー」では,アルリカ,イギリス,及びフランスの改革動向を,我が国の動向と関連付けて発表し,また,新学習指導要領の特色を踏まえた2つの教材・授業開発事例を掲示して,参加者と活発に意見交換した。 出版した書籍が,理科教育学会機関誌『理科の教育』2011年4月号の「図書紹介」で取り上げられ,又セミナーでは小学校から大学までの教員,教育委員会,環境教育団体,学生等の参加が得らるたが故に,本研究は,社会的な一定の評価を獲得したといえよう。
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