2008 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄の亜熱帯環境を生かした自然科学教育の実践的研究
Project/Area Number |
20300261
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
松田 伸也 University of the Ryukyus, 教育学部, 教授 (30157317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉尾 幸司 琉球大学, 教育学部, 准教授 (20433089)
馬場 壮太郎 琉球大学, 教育学部, 教授 (10347122)
田吹 亮一 琉球大学, 教育学部, 教授 (60155231)
伊藤 彰英 琉球大学, 教育学部, 教授 (60273265)
立石 庸一 琉球大学, 教育学部, 教授 (80114544)
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Keywords | 沖縄 / 亜熱帯 / 自然科学教育 / 実践 / たたら / 学校 / ビオトープ / 動物園 |
Research Abstract |
本土産海岸砂鉄を用いて、多数の小鋼鉄塊とマグマ状溶融物が固結した岩塊を得ることのできる「小型たたら(炉の外径30cm高さ36cm)」の操業方法を開発した。また、沖縄県内で唯一、深成岩類が見られる石垣島の露頭の現状を把握した。また、沖縄島に分布する地層について、露頭の現状を把握するとともに、地質学上の新知見を得た。日本化学会西日本支部主催「化学への招待」において、蛍光X線分析装置を用いて、中学生に様々な金属素材や天然鉱物の分析を実際に行わせたところ、大いに興味を示した。同時に、教員養成課程理科の学生は蛍光X線分析を行わせる事で、量子力学の入門部分が理解しやすくなると見受けられた。同装置の物理・化学学習上の効果は、高校生にも期待できると思われる。非理系の小学校教員養成課程の学生各自に屈折望遠鏡・赤道儀による太陽追尾観察を行わせることで、太陽の動きについて認識を深めさせることができた。学校ビオトープ水辺環境に飛来する昆虫相やトンボの産卵行動や繁殖活動の季節変化等が明らかにした。その他若干の動植物について生態学的知見が得られた。中学校・動物園・大学が連携した「動物園観察実習」を実施した。この実践は、爬虫類と両生類の特徴に関する認識を深め「脊椎動物」の概念を獲得する上で効果があった。小学校・大学が連携した名護小学校4年生の「サンゴ礁観察実践」に講師陣として参加し、サンゴ礁での環境教育の典型例を明らかにし、その最大の問題点が人的資源の不足にあることを明らかにした。那覇地区の中学校を対象に理科の自由研究の実施状況について実態調査を行い、ほとんどの学校で自由研究を生徒に行わせていること、それが理科教員の大きな負担となっている実情と求められる支援策についての基礎資料を得た。
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