2009 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄の亜熱帯環境を生かした自然科学教育の実践的研究
Project/Area Number |
20300261
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
松田 伸也 University of the Ryukyus, 教育学部, 教授 (30157317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉尾 幸司 国立大学法人琉球大学, 教育学部, 准教授 (20433089)
馬場 壮太郎 国立大学法人琉球大学, 教育学部, 教授 (10347122)
伊藤 彰英 国立大学法人琉球大学, 教育学部, 教授 (60273265)
立石 庸一 国立大学法人琉球大学, 教育学部, 教授 (80114544)
本多 正尚 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (60345767)
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Keywords | 沖縄 / 亜熱帯 / 科学教育 / 学校 / 生物 / ビオトープ / たたら / 火成岩 |
Research Abstract |
他府県とは異なり亜熱帯自然環境にある沖縄県のいくつかの島嶼において、固有動物種・植物種の分布を中心に生物的自然を調査した。離島の植物相に関する文献調査を行い、目録を作成した。沖縄県内の学校ビオトープ活用のため、水辺環境で最も良く見られる昆虫および淡水性の微小生物等について調査を行い、ビオトープに飛来する昆虫相やトンボの産卵行動や繁殖活動の季節変化、チョウの日周活動、淡水性プランクトン等の生物相が明らかになった。また、沖縄の持つ環境のイメージを調査するため、アンケート調査を行った。 沖縄に特徴的な堆積岩・地層の教材化のためにそれらの大規模露頭の基礎調査を行った。また沖縄県内の有人島には少ない火成岩類の教材開発のため、久米島に産する火山岩類の野外地質調査と露頭ビデオ撮影を行った。 小たたら製鉄の実験を行い、炉内で形成される熔岩様流体の固結物の偏光顕微鏡による岩石学的記載を行い、炉内生成物が、自形の鉄カンラン石とUlvospinelとHercyniteの中間的な組成の不透明鉱物、およびこれらの隙間を充填するメルトより成ることを明らかにした。鉄カンラン石はコマチアイトに見られるスピニフェックス組織類似した組織が見られた。琉球大学付属中学校において小たたらで溶岩流をイメージする授業を試行した。教育実践に蛍光X線分析装置を用いるための予備検討として、沖縄県に飛来する大気粉塵の元素組成を1年間モニタリング測定した結果、特に冬季から春季にかけては、かなりの頻度で中国大陸から沖縄に大気粉塵が飛来していることが示唆され、粉塵中に鉛やヒ素などの有害元素も含まれていることが確認された。琉球大学付属中学校生徒を対象に部分日蝕および月・木星観察会を行い、学校教育実践で求められる小型望遠鏡・赤道儀の機能について検討した。
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