2009 Fiscal Year Annual Research Report
極低バックグラウンド核分光法によるpptレベルでのU, Th検出
| Project/Area Number |
20310029
|
|---|
| Research Institution | Osaka University |
|---|
Principal Investigator |
嶋 達志 Osaka University, 核物理研究センター, 助教 (10222035)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高久 圭二 大阪大学, 核物理研究センター, 助教 (30263388)
江尻 宏泰 大阪大学, 名誉教授 (80013374)
|
|---|
| Keywords | 放射線計測 / 微量分析 / β-γ核分光法 / シンチレーション検出器 / 元素合成 / r-過程 |
|---|
| Research Abstract |
平成20年度に開発を行なった極低バックグラウンド核分光法による高感度なU, Th検出のための電子・X線・ガンマ線計測用シンチレーション検出器のうち、NaI (T1)結晶を用いたタイプの検出器を大阪大学核物理研究センター・大塔地下観測所の地下実験室内に設置し、低バックグラウンド性能を評価するための長期連続測定を実施した。このシンチレーション検出器は、180mm×180mm×厚さ5mmのNaIプレート2枚で構成され、大面積かつ薄型の形状をとることにより、多くの測定対象試料を同時に測定できる構造となっている。大塔観測所での試験測定の結果、^<137>Cs標準線源からの662keVガンマ線に対するエネルギー分解能9%(FWHM)、検出可能なエネルギーの下限として約3keV、^<214>Bi(ウラン系列)からのバックグラウンド10μBq/kg未満という良好な結果が得られ、本研究の今年度の目標が達成された。
現在、^<208>T1(トリウム系列)からのバックグラウンドの調査を行なっている。それに引き続いて、プラスティックシンチレーション検出器を用いたシステムについても同様のバックグラウンド評価を行い、極低バックグラウンド検出システムとして完成させる予定である。その後、本システムをガンマ線照射試料、中性子照射試料の放射化分析に利用し、宇宙核物理学上重要な同位体の光核反応断面積および中性子捕獲断面積測定、さらに隕石試料中の微量放射能分析等に応用することを計画している。
|
Research Products
(14 results)
