2009 Fiscal Year Annual Research Report
連続最適化による混合整数計画問題の大域的解決と情報技術への応用
Project/Area Number |
20310082
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
久野 誉人 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (00205113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 博幸 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (60221933)
山本 幹雄 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (40210562)
河辺 徹 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (40224844)
吉瀬 章子 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (50234472)
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Keywords | 最適化アルゴリズム / 混合整数計画問題 / 非線形計画問題 / 大域的最適化 / 機械翻訳 / 画像処理 / 組込みシステム / 情報技術 |
Research Abstract |
混合整数計画問題と等価な非線形凹最小化問題の大域的最適解を求めるための単体分枝限定法において,ω分割とよばれる単体分割規則を用いた場合のアルゴリズムの理論的収束性の証明,分割後の単体の数が問題の次元に依存せず,常に2つとなる新たな分割規則,ω2分割の構築と収束性の証明,および2つの分割規則と通常の2分割との比較実験を行った.ω2分割は,ω分割の収束証明の過程で,より一般的な分割規則のもとでも収束の保証されることが明らかとなり,実用性も考慮して設計した分割規則である.理論的な収束性のある分割規則はこれまで2分割とω分割の2つしか知られていなかったが,新たに収束の保証される分割規則が明らかになっただけでなく,計算実験によって経験的にも既存の分割規則を凌駕する結果が得られたことは大きな成果である.現在,この成果を論文にまとめ,投稿の準備をしている. また,機械翻訳などへの応用が期待される非線形非凸最適化問題として,多目的線形最適化問題の有効解集合上で線形関数を最小化するための大域的最適化アルゴリズムの研究も行った.この問題は2つの凸多面体の差集合上での最適化問題となり,したがって既存の凸最適化アルゴリズムで大域的最適解の得られる保証はない.計算量の観点からはNP困難であることが予測されたが,これを理論的に証明すると同時に,有限回の反復で大域的最適解を生成するアルゴリズムを設計した. このほか,最適化問題を含むより一般的な問題として変分不等式問題を解くための切除平面法に関する研究,非線形凹最小化のニュージーランド電力市場への応用研究などを海外の研究者と共同で行い,それぞれ良好な研究成果が得られた.
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Research Products
(4 results)