2010 Fiscal Year Annual Research Report
長周期・長継続時間地震動による貯水槽スロッシングが配水システムに及ぼす被害予測
Project/Area Number |
20310108
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宮島 昌克 金沢大学, 環境デザイン学系, 教授 (70143881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 純史 京都大学, 工学研究科, 教授 (00161597)
能島 暢呂 岐阜大学, 工学部, 教授 (20222200)
鶴来 雅人 財団法人地域地盤環境研究所, 地震防災グループ, グループリーダー (60450912)
吉田 雅穂 福井工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (90210723)
池本 良子 金沢大学, 環境デサイン学系, 教授 (40159223)
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Keywords | 長周期地震動 / 上水道 / スロッシング / 貯水槽 / 救命ライフライン |
Research Abstract |
本研究では、長周期・長継続時間地震動によって上水貯水槽の水がスロッシング現象を起こし,強制引水を開始する条件をまず明らかにし、つぎに、同時に多くの貯水槽が強制引水を行ったときに上水道システムに及ぼす影響を検討する。さらに、救命ライフラインといわれる消火,医療給水に及ぼす影響を検討することを目的としている。 昨年度まで用いていた,速度応答スペクトル用いて貯水槽の卓越周期との関係から液体のスロッシング高さを求めるハウスナー博士が提案した簡易式には、巨大地震の際に問題となると考えられている地震動継続時間が非常に長くなる場合については十分には考慮されていないので、VOF法を用いた3次元時刻歴スロッシング解析手法を構築した。解析結果の精度を検証するために,水槽を用いたスロッシング振動実験も行い,相互のスロッシング高さを比較したところ,良い結果が得られた。そこで,これまでに配水システムの異常挙動が報告されている地震と,報告されていない地震の観測地震動波形を用いてVOF法を用いた3次元時刻歴スロッシング解析を行った。その結果,VOF法を用いたスロッシング解析は,地震時の矩形水槽のスロッシング挙動を分析する上で有効であることが確認されるとともに,スロッシングの継続時間もスロッシングの最大水面変位とともに,配水システムの異常挙動発生と相関があることが明らかとなった。今後は,3次元解析の利点を活用して,水位センサーの最適設置位置を検討し,水位センサーの誤作動対策を検討する予定である。
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Research Products
(3 results)