2010 Fiscal Year Annual Research Report
新出土資料を通してみた古代東アジア世界の諸相-漢字文化圏の中の地域性-
Project/Area Number |
20320009
|
Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
谷中 信一 日本女子大学, 文学部, 教授 (20230253)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池澤 優 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (90250993)
大西 克也 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (10272452)
名和 敏光 山梨県立大学, 国際政策学部, 准教授 (30291868)
小寺 敦 東京大学, 東洋文化研究所, 准教授 (30431828)
宮本 徹 放送大学, 教養学部, 准教授 (30345243)
|
Keywords | 東アジア / 出土資料 / 古代 / 漢字文化圏地域 / 中国 / 地域文化 |
Research Abstract |
今年度実施した研究活動とその成果は、以下の四項目に大別できる。すなわち、 第一、上海博楚簡研究会と共催で上海博物館蔵戦国楚竹書の解読を行った。(計4回) 第二、7月、北京大学哲学系教授王中江氏による学術報告会(「《凡物流形》"一"的思想構造」)。本報告は、谷中による翻訳で論文集『出土資料と漢字文化圏』に収録した。10月、清華大学哲学系教授曹峰氏による学術報告会(「《老子》首章與"名"相關問題的重新審視--以北大漢簡《老子》的問世爲契機」)。12月、上海復旦大学教授劉釧氏(「出土文献与兵術数)と同施謝捷氏(「秦封泥整理漫議」)による学術報告会。平成23年1月「東アジア出土資料に関する今日的課題」をテーマとするシンポジウムを下記の要領で開催した。 第I部尹龍九氏「新発見の楽浪漢簡」第II部張昌平(武漢大学)・李承律(成均館大学)「考古編年と思想編年の相克」コメンテーター:金慶浩(成均館大学)・丹羽崇史(奈良文化財研究所) 第三、谷中は、5月に台湾・嘉南薬理科技大学での「経典教学與簡帛学術研討会」において「楚地出土文獻所見"執一"思想一以上博簡(七)《凡物流形》爲中心-」と題する研究報告を行った。9月に北京大学での「"老子:文献与思想"国際学術討論会」において「從出土文獻看"道"概念的完善」と題する研究報告を行った。 第四、平成23年3月に『出土資料と漢字文化圏』と題する18名からなる執筆者による論文集を刊行した。執筆者の国及び地域は、日本・中国・台湾・香港・韓国に及び、専門領域は中国哲学思想史・中国考古学・東洋史・宗教学・中国語学・日本文学など多岐にわたる。これにより、われわれがテーマとして掲げてきた「新出土資料を通してみた古代東アジア世界の諸相一漢字文化圏の中の地域性」についての研究成果が広く世に問われることとなったが、反面でわれわれが掲げてきたテーマの大きさのために、今後さらなる研究の深化が求められることとなった。
|