2009 Fiscal Year Annual Research Report
現代宗教性の類型化と受容可能性―体験談のデータベースとモニタリング調査―
Project/Area Number |
20320015
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Research Institution | Taisho University |
Principal Investigator |
弓山 達也 Taisho University, 人間学部, 教授 (40311998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星川 啓慈 大正大学, 文学部, 教授 (10173585)
島薗 進 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (20143620)
渡辺 光一 関東学院大学, 経済学部, 教授 (30329205)
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Keywords | 体験談 / データベース / モニタリング調査 / 宗教性 / 受容可能性 |
Research Abstract |
本研究は、宗教/世俗間のコミュニケーションの促進とインターフェイスに関わる理論構築のための実証的研究を志向するものである。その素材として、生活世界(あるいは人々の人生や日常生活)と宗教性の接点を具体的に記述する「体験談」に焦点をあてている。 本年度は、前年度に納品された体験談執筆とその受容性に関する予備調査の結果を検討し、(1)体験談執筆者の宗教性の測定、(2)読み手の宗教性と受容可能性の測定、(3)体験談の多様性の分類化を行った。共分散構造分析やネットワーク分析、テキストマイニング等、マーケティングリサーチやコンピュータサイエンスの最先端の手法を取り入れて分析を行った結果、(1)(2)においては重要な宗教性の抽出および、重要な宗教性の構造のモデル化を行った。また満足度(精神的満足度、物質的満足度、肉体的満足度、人間関係満足度)や寛容性などを組み合わせた、宗教性尺度の構成を行った。(3)においては、体験談に典型的な概念や要素を抽出し、概念や要素の組み合わせとその状態遷移による分類化を行った。また組み合わせには多様な空間が生まれるが、その中で重要な部分空間を抽出し、体験談化することも行った。また、日米での同時調査を行うことも踏まえ、日本的宗教性への考察(冠婚葬祭型の宗教性)を行い。その上で日・英語両方による比較可能なアンケート項目の作成を行った。非宗教的な体験談が広く一般に受容されているなかで、それとの比較の中で宗教的体験談を類型化しその受容可能性を測定することは、学術的要請に応えるものである。また統計的手法を用いた量的な測定を行うことにより、従来の研究が提示してきた理論の妥当性を実証的に検証するとともに、従来の研究が見出しえなかった発見を得ることが可能になるものである。
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Research Products
(5 results)