2010 Fiscal Year Annual Research Report
「普通の人の哲学」と「知識人の思想」の葛藤をめぐる戦後思想史-鶴見和子文庫を開く
Project/Area Number |
20320019
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Research Institution | Kyoto Bunkyo University |
Principal Investigator |
鵜飼 正樹 京都文教大学, 人間学部, 准教授 (70192507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 星子 京都文教大学, 人間学部, 教授 (70298743)
高石 浩一 京都文教大学, 臨床心理学部, 教授 (40226733)
松田 凡 京都文教大学, 人間学部, 教授 (90288689)
佐藤 知久 京都文教大学, 人間学部, 准教授 (70388213)
鶴見 太郎 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (80288696)
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Keywords | 思想史 / 戦後思想 / ネットワーク / データベース |
Research Abstract |
本研究は、比較社会学者・鶴見和子の多方面にわたる業績を、戦後思想史の中に位置づけ、さらに日本の戦後思想史をポスト占領状況という視界から再考する試みである。鶴見和子の旧蔵書、未公開の草稿、フィールドノートなどの資料は、京都文教大学に寄贈され、同大学図書館の「鶴見和子文庫」として所蔵されている。本研究では、同図書館との協力の下に、鶴見和子の草稿、ノート類を整理分類、データ化し、第2次大戦後の思想潮流をみわたす比較思想史研究へ向かうための基盤を築くことをめざしている。 <鶴見和子文庫の整理作業> 京都文教大学図書館において、鶴見和子文庫未公開資料の整理・分類作業を一昨年より継続してきた。現時点では、鶴見和子が倒れる1995年以前から保持していた「東京資料」(通称)に関しては終了し、1995年以降に収集していた「宇治資料」の整理・分類が、全体の3分の2程度まで終了している。残りの資料については、大学の研究費等で対応し、なるべく早く終了させる予定である。 <資料の公開とガイドライン> データベース化が完了していないため、ウェブでの資料公開は、現在はできないが、京都文教大学図書館を通じて閲覧申し込みがあった資料に関しては、ガイドラインを作成し、閲覧できる状態にまでは、資料整理をおこなった。 <研究会の実施> ポスト占領期における鶴見和子の思想の意義について、議論を深めるため、本年度は以下の研究会を実施した。 2011年2月20日(日)(於京都文教大学) 松田凡「鶴見和子とカール・ポランニー:自然と地域の概念をめぐって」 鶴見太郎「民俗学者の足跡を辿る作業-柳田国男から南方熊楠へ-」 高石浩一「河合隼雄と鶴見和子-マンダラと曼茶羅-」 <研究成果の公開> データベース化が終了した時点で学際的な公開シンポジウムを実施し、あわせて研究代表者、研究分担者、連携研究者による著書を刊行することをめざしている。
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