2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20320022
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋山 聰 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50293113)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 康宏 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50141990)
|
Keywords | 美術史 / 宗教美術 / 比較美術史 / 像 / イメージ人類学 / 宗教儀式 / 聖像・偶像 |
Research Abstract |
本年度は鮫終年度ということもあり本研究組織メンバーが、これまでの比較美術史的成果を踏まえつつ、西洋古代美術、西洋中世美術、日本仏教彫刻、近世日本美術等の分野において「像の生動化」に関わる論考を相次いで発表した。また5月には、海外協力研究者ミケーレ・バッチを招聘し、比較美術史的調査を東京、奈良、京都等で行なうとともに、連携研究者・研究協力者等と共に国際シンポジウム「礼拝像の生動性:東西比較の試み」を開催した。その内容はDVDに収められており、将来の公開を予定している。さらに2月には死生学研究拠点主催の国際公開シンポジウム「イメージとヴィジョン:東西比較の試み」に協力し、ハーバート・ケスラー、ミケーレ・バッチ、ファビオ・ランベッリ等海外研究者とともに本研究組織メンバー等が主体的に参加した。こうした活動を通じて、とりわけ裸形着装像や植髪像、さらには像を用いての儀式典礼という、本研究が「像の生動化」とみなす事象が造形を許容する宗教文化間においてはある程度の普遍性を有していることが明らかとなり、幅広い地域の美術についての比較宗教美術史的研究の一層の有用性が確認された。その証左として、国際会議における発表や死生学研究拠点との協力関係の中で国際的な発信もされてきたこれまでの研究成果が、海外において今後の美術史学研究における有望な分野たりうると認識されはじめ、研究代表者は来年度ドイツ、ニュルンベルクにおいて開催予定の国際美術史学会(C.I.H.A.)第33回世界大会の第3セクション「比較文化的観点からの宗教の客体化」の座長に指名された。
|