2008 Fiscal Year Annual Research Report
1960〜70年代のビデオ・アート:作品の所在調査とデータ・ベース構築
Project/Area Number |
20320027
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Research Institution | The National Museum of Modern Art, Tokyo |
Principal Investigator |
中林 和雄 The National Museum of Modern Art, Tokyo, 企画課, 企画課長 (50217816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 健仁 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 研究員 (50356276)
蔵屋 美香 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 美術課, 美術課長 (30260003)
大谷 省吾 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 主任研究員 (90270420)
保坂 健二朗 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 美術課, 研究員 (40332142)
河本 信治 独立行政法人国立美術館, 京都国立近代美術館学芸課, 学芸課長 (10150062)
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Keywords | 芸術学 / 美術史 / ビデオ・アート / 1970年代 / 映像表現 / 戦後美術 / メディア / 美術館 |
Research Abstract |
1資料集積| 60〜70年代のビデオ、フィルム作品に関して文献の集積作業を行った。具体的には、映像関連の主要雑誌のうち60〜70年代分に網羅的にあたり、関連記事をデータベース化した。また当該分野の研究者西嶋憲生氏(多摩美術大学)所蔵の資料(カタログ、『第3回ふくい国際ビデオ・ビエンナーレ』関連資料など)を借り受けリスト化した後、内容を調査した。この分野に特化した資料の集積およびデータベース化はほとんど行われていない。将来的にデータベースを公開することで、効率的な研究を可能にする基礎資料となることが期待される。 2インタビュー| 西嶋氏、平野重光氏(倉敷芸術科学大学)、梅津元氏(埼玉県立近代美術館)、正木基氏(目黒区美術館)等、当該分野の研究者にインタビューを行い、当時の状況、作品の所在に関する情報を収集した。1の資料集積およびこのインタビューを通して、「研究実施計画」でも指摘した「現代の造形」展(全10回)が、きわめて重要な展覧会であることが明らかとなったため、主要出品作家、野村仁氏、河口龍夫氏にインタビューを行った。当事者の証言を記録したインタビューの将来的な公開は、当該分野の研究に際して最重要資料のひとつとなることが予想される。 3作品の保存| インタビューを通じ、野村氏、河口氏が自身の映像作品を所蔵していることが明らかになった。状態調査の結果、早急な保存が必要との判断から、野村氏のフィルム8点、ビデオ6点、河口氏のビデオ1点について修復およびデジタル化(デジタルベータカムへの変換)の作業を行った。 4その他| 研究分担者が、ドイツ・カールスルーエのZKMにて、ビデオ作品の保存方法について情報交換を行った。2009年3月31日から東京国立近代美術館で開催の「ヴィデオを待ちながら-映像、60年代から今日へ」展で、デジタル化した作品を出品するなど、本研究の成果を一部公表した。
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