2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20320035
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
馬渕 明子 Japan Women's University, 人間社会学部, 教授 (30114656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 陽子 文化ファッション大学院大学, ファッションビジネス科, 教授 (60307999)
池田 祐子 京都国立近代美術館, 学芸課, 主任研究員 (50270492)
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Keywords | 染め型紙 / ジャポニスム / デザイン |
Research Abstract |
本年度は、海外調査を手分けして、あるいは協力して行った。ヨーロッパの主な型紙所蔵美術館において、およそ予定していた調査を終えることができた。その内容は馬渕がクレフェルト、ミュルーズ、リクサム、パリ、リヨン、高木がロンドン、ブリュッセル、パリ、ドレスデン、ケムニッツ、アムステルダム、池田がハンブルク、ドレスデン、ケムニッツにおいて、主要型紙の撮影、調書記入、文献入手を行った。 これらは、当面は所蔵型紙のデータと、それがどのようなルートで各美術館に入ったかの基礎的資料となる。このプロセスで、ドイツの複数の美術館に型紙が入るきっかけを作った人物名が浮かび上がり、日本との関わりの糸口が見えてくるという成果もあった。また、パリとミュルーズの型紙調査では、当時の新聞に貼り付けられた型紙が多数発見され、フランスにわたったおよその年代もつかむことができた。さらに、いくつかの型紙には文字や押印が見られ、それによって、産地や染めの店名なども把握することができ、今後押印の分類を行うことで、型紙が最後に使われ売却された場所や町を特定する手がかりが得られるであろう。また、パリ、ドレスデン、ケムニッツの調査に同行した長崎巌によって、様式の上からの型紙のおよその年代と、文様の種類を推定することができた。 並行して、それぞれの機関において着物、型紙、文献資料を収集することで、実際に見た型紙が、どのような分野のデザインに応用されたのか、の研究の端緒につくことができた。たとえば馬渕はナンシーにおける型紙が、どのような美術家に利用され、どのような作品が生まれたか、という分析を行い、それを国際シンポジウムで発表することができた。 このような作業は、次年度も引き続き量を増やし質を高める方向で行ってゆきたい。
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Research Products
(5 results)