2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20320049
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
鷲見 洋一 Chubu University, 人文学部, 教授 (20051675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小沢 慎治 愛知工科大学, 工学部, 教授 (70051761)
逸見 竜生 新潟大学, 人文社会教育科学系, 准教授 (60251782)
寺田 元一 名古屋市立大学, 人間文化研究科, 教授 (90188681)
小関 武史 一橋大学, 法学研究科, 准教授 (70313450)
井上 櫻子 慶應義塾大学, 文学部, 助教 (10422908)
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Keywords | メタデータ / 百科全書 / 18世紀 / 事典 / 情報通信工学 / 啓蒙主義 / 電子化 / 書誌学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ディドロ=ダランベール編集になるパリ版『百科全書』の最良版を底本とし、(1)高解像度で精度保証された『百科全書』本文17巻16000頁余のファクシミリ写真画像作成、(2)『百科全書』使用活字の分析と、貴重書文字情報読み取り解析技術を用いたOCR情報の創出、テクスト電子化に向けての試み、(3)辞典全巻の項目ごとに抽出したメタデータ情報データベース構築、という3層にわたるシステムを構築することである。 本年度は、(1)については昨年度撮影済みの8巻に続いて、さらに4冊を加え、計12巻分のデジタル撮影が完了した。(2)は、テクストOCR情報化に向けて努力が続けられているが、まだ公開できるようなレヴェルに達していない。(3)にかんしては、シカゴ大学が開発した『百科全書』電子版(インターネットで無料公開)の改良が進み、私たちが取り組んできたデタデータの大部分が、すでにシカゴ大学のサイトで獲得できるようになってしまった状況を踏まえ、方針を一部変更せざるをえなくなった。すなわち、複数あったメタデータを「典拠情報」に絞り込み、20名を超える文系の作業員を動員して、『百科全書』のテクストを綿密に読んで貰い、特定の基準に基づいてデータを抽出する方法を徹底した。現在、第1巻と第2巻についての読み出しがほぼ完了している。 本研究が完成した暁には、これまでどのような『百科全書』電子化の試みも実現しえなかった、事典項目執筆にかんする典拠情報のデータベースを世界中の研究者が利用できることになり、良質のテクスト画像に加えて、テクスト生成過程をめぐる謎の多い影の部分に光が当てられることになろう。
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Research Products
(5 results)