2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒンディー・ウルドゥー韻律のリズム構造の解明-ペルシア起源説の検証をとおして-
Project/Area Number |
20320055
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長崎 広子 Osaka University, 世界言語研究センター, 准教授 (70362738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 善文 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (80200020)
佐々木 あや乃 東京外国語大学, 外国語学部, 准教授 (60272613)
橋本 泰元 東洋大学, 文学部, 教授 (40256764)
松村 耕光 大阪大学, 世界言語研究センター, 准教授 (60157352)
山根 聡 大阪大学, 世界言語研究センター, 准教授 (80283836)
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Keywords | ヒンディー文学 / ウルドゥー文学 / ペルシア文学 / ベンガル文学 / 韻律 / 国際研究者交流 / インド:パキスタン:ネパール:イラン |
Research Abstract |
本年度は二回の研究会を開催し、ペルシア韻律、ウルドゥー韻律、ヒンディー韻律、ベンガル韻律について前年度の成果を発展させて、より踏み込んだ議論を行った。本年度得られた主な成果は以下の通りである。 1. 一般に議論される音楽のリズムや多くの付加的な要素と韻律のリズムには関係があり、歌謡とは、「韻文形式の音楽性を伴う詩句の総称」であるという。だが、詩の朗唱の際にメロディーを付して歌う場合、つまり有拍リズムの楽曲内に置かれた場合に、詩の韻律よりも音楽のリズムが優先されるため、インドの宗教歌謡では、詩の韻律規則に照らすと多くの逸脱が確認される。2. だが、ペルシア音楽では、ペルシア古典詩の韻律と音楽とのリズム上の連関があり、そのリズムは音節の強弱および韻律を反映させた音の長さや短かさ、音の装飾等によって構成されている。ペルシア音楽では詩の韻律は音節の長短にとどまらない幅広い要素を含んだものとして解釈されていることが明らかになった。3. パキスタンのカッワーリー歌謡では、いくつかの韻律の組み合わせが用いられ、そこにオリジナルの詩にはないフレーズが付加されることもあるが、聴衆は違和感も分断も感じないという、作者と受容者双方の柔軟性が見られる。4. 現代ベンガル詩の韻律では、正統派の文献に用いられてきたmishrabrittaよりも、口承文芸で用いられタゴールが改めて提唱したDalbrittaにベンガル語本来の音が反映され、それによって美しい詩作が得られると今日では認識されている。5. ウルドゥーの詩論書に掲載されているヒンディー韻律の起源を、現在インド側ではインドの韻律だとし、パキスタンではペルシアの韻律だと主張して双方の意見が対立しているが、紀元前4世紀ごろからインドで用いられてきたArya韻律と同型であることが明らかになった。 作成した音声サンプルつきのデジタル詩論書は専用サーバーで随時公開した。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
歴史学研究会編, 水野善文
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Journal Title
世界史史料2南アジア・イスラーム世界・アフリカ(岩波書店)
Pages: 10-16, 25-28
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