2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20320080
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
冨田 健次 Osaka University, 世界言語研究センター, 教授 (60116142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住村 欣範 大阪大学, グローバルコラボレーションセンター, 准教授 (30332753)
清水 政明 大阪大学, 世界言語研究センター, 准教授 (10314262)
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Keywords | ベトナム語 / 電子辞書 / 多言語辞書 / 専門用語 / 漢語 / 漢越語 / 文法情報 / 誤用分析 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本人翻訳・通訳者並びに学習者がベトナム語で発信する際に有用なベトナム語・日本語電子辞書の構築のための基礎的作業を遂行することにある。特に、語彙の属性の一部をなす文法情報を分析し、日本人学習者の誤用例から得られる情報と共に適宜付記する。本年度は、研究協力者の補助を受けつつ、すでに作成された語彙リストに研究代表者が長年に亘り収集した語彙収録カードの内容を入力し、必要に応じ例文を作成・補充した。また、主に動詞を中心とする用言を対象とした文法情報の記述に着手した。統語情報の抽出作業に関しては、海外の関係機関(在ハノイ辞書学研究センター等)に出向き研究者と意見交換を行った上で、コーパスやレキシコン類の入手に努めた。他方、体言に属する内容語においても同様であるが、ベトナム語と日本語におけるカテゴリー化のずれにより個々の語彙の意味が日本語の対応語彙と1対1の対応を成さない場合がある。これは当該言語の文化的側面にも密接に関連する部分とも言える。特に専門用語の記述に関しては同一の漢語でも日本語の漢語とベトナム語の漢語(漢越語)で意味・用法に差異が生じる場合があり、細心の注意を要する。当該ケースにおける意味記述に際しては、関連語彙に関する注記が大きな効力を発揮する部分であり、この点に関して、分担者住村を中心に記述作業を行った。これらの付加的情報は「書いて話す」ための発信型辞書としては必須要素であり、ベトナム語運用における適切な語彙の選択を支援する重要な部分である。以上、作業全体の統括を研究代表者冨田が行った。
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