2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20320080
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
冨田 健次 大阪大学, 世界言語研究センター, 教授 (60116142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 政明 大阪大学, 世界言語研究センター, 准教授 (10314262)
住村 欣範 大阪大学, グローバルコラボレーションセンター, 准教授 (30332753)
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Keywords | ベトナム語 / 外国語教育 / 電子辞書 / 漢越語 / 文法情報 / 誤用分析 / 国際研究者交流 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
最終年度に当たる今年度は、まず機能語に関する従来の記述の再検討を行う。本研究課題の目標である「書いて話すための辞書」を目指す立場から、当該形式の使用の場面(文脈)を考慮した作例を心掛ける。ある文法範疇(たとえば「使役」)に対し複数の機能語が使用され、学習者が使い分けに戸惑う場合等は、個々の形式の用法上の差異について注記する。研究代表者による『ベトナム語重要文法語彙用例集』(大阪外国語大学、1984)等の研究成果を踏まえた上で、語彙項目の記述を行う。それらを基礎に上記の点に配慮しつつ、辞書利用者の作文に有効な形で整理するよう努めた。言うまでもなく、機能語においては例文の提示が要であるため、個々の用法に関する記述の妥当性も含めて、対応する例文の適切性について海外共同研究員の意見を綿密に検討しつつ作例した。 日本人ベトナム語学習者による作文データの分析により、日本人がベトナム語文を産出する過程で注意を要する項目をいくつか抽出した。まずは語源的情報に関する類であり、特に日本語・ベトナム語間で共通する漢語を語源としつつ、意味、用法の差異により誤用が生じた語彙の類を取り上げる。次いで、本辞書の主な記述対象となる各種内容語の文法特徴に関連するものであるが、その情報の不足により生じたと考えられる誤用の類を取り上げる。そして、日本語・ベトナム語間の各種カテゴリー化の差異による語彙選択の誤りから生じたと判断される類のものも対象とする。これら3種類の誤用の分析に基づいて、日本人が特に誤りやすいと判断される部分について、否定的根拠(誤用例)の収集に努めた。
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Research Products
(6 results)