2009 Fiscal Year Annual Research Report
小学校高学年向け英語文字教授法の開発:絵本読み聞かせによる文字認識度の検証より
Project/Area Number |
20320090
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
三宅 美鈴 広島国際大学, 国際交流センター, 教授 (50352034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松川 文雄 広島国際大学, 工学部, 教授 (50352042)
重安 哲也 広島国際大学, 工学部, 助教 (90352046)
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Keywords | 絵本読み聞かせ / 眼球運動 / 文字認識 / 小学校高学年 / 小学校英語教育 |
Research Abstract |
東広島市立乃美尾小学校で行った予備実験結果を詳細に分析した結果、読みあげている音と同期してハイライトするように工夫することが、文字への関心度向上に効果があることを確認できた。しかし、音と単語とを結びつける認知度に関しては、視線を単語に向けるだけでは文字に興味を示していた文字グループと特に文字に興味を示していなかったその他グループと共に、本実験では統計的には差がなかった。原因として、文字グループにおける天井効果、一回限りの「絵本読み聞かせ」、単語認知能力を養うためのインタラクションの欠如などが挙げられる。さらに、同データより、(1)音韻表象と形態表象とのアクセスに成功する要因と示唆していること5点、(2)音韻表象と形態表象とのアクセスが難しいと考えられる要因と示唆していること4点、児童を対象とした語彙へのアクセスモデルを提示した。 これらの結果は、2011年度から必修化される小学校での英語教育において、絵本読み聞かせの意義とその活用法に大きな示唆を与えるものと考え、論文2件にまとめ掲載された。 予備実験の分析結果を踏まえ、読み聞かせの進め方や絵本画面に改良を加えて、21年度において実証実験を行った。具体的には、竹原市立東野小学校の5・6年生児童32名を調査対象として、4か月にわたる長期読み聞かせ活動を実施し、音韻表象と形態表象の結びつけに対する絵本読み聞かせ活動の有効性を把握する目的で、読み聞かせ活動の前後に評価実験を行った。評価実験では、評価実験用絵本の読み聞かせの前後に語彙テストおよび内容把握テストを実施、長期読み聞かせ後にも同様の評価実験を行った。その際、科研費で購入した新たな実験装置を用いて児童の視線位置を計測し、データを収集した。現在、その詳細を分析中である。
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Research Products
(3 results)