2010 Fiscal Year Annual Research Report
第二次世界大戦期の日本及び枢軸国の対中東・イスラーム政策の比較研究
Project/Area Number |
20320095
|
Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
臼杵 陽 日本女子大学, 文学部, 教授 (40203525)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 憲 千葉大学, 大学院・人文社会学研究科, 教授 (40211726)
加藤 博 一橋大学, 経済学研究所, 教授 (10134636)
田嶋 信雄 成城大学, 法学部, 教授 (80179697)
店田 廣文 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (20197502)
長澤 栄治 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00272493)
|
Keywords | 第二次世界大戦 / 枢軸国 / 日本 / 中東イスラーム世界 / 東亜経済調査局 / 大川周明 / 回教(イスラーム)研究 |
Research Abstract |
本研究の最終年度にあたるこの年度においては、まず、前年度のトルコ共和国イスタンブルでの国際会議の成果を踏まえて、第二次世界大戦中の枢軸側の中東地域、とりわけイラク・シリア・レバノン・エジプトなどのアラブ世界での活動を中心に整理を行ない、「第二次世界大戦中の枢軸側の対アラブ政策」として学術雑誌に論考を発表する予定である。また、米英仏の後発国としての日独の第二次世界大戦までの国際政治への関与の仕方の比較研究の成果を刊行物として発表し、日伊の比較研究についても、文学作品を通してエチオピア戦争と日中戦争の比較に関する論考を発表した。第二に、戦時期日本に関しては東亜経済調査局での大川周明の研究・教育活動と回教研究に焦点を当てて調査研究を実施し、大川周明の設立した東亜経済調査局付属研究所(通称・大川塾)の元塾生からの聞き取り調査も集中的に行なった。その研究成果の一端は、前者に関しては、臼杵陽(研究代表者)著『大川周明-イスラームと天皇のはざまで』(青土社、2010年)として出版した。後者の東亜経済調査局付属研究所に関しては、DVD「大川周明大川塾塾生の足跡」(KMコンサルティング、2011年)として刊行した。第三に、戦前・戦時期のアジア主義についても、猶存社で大川周明と盟友であった満川亀太郎のアジア主義に関する調査研究を行ない、満川のユダヤ人観を含めて、戦略的動員対象としての回教徒(ムスリム)と猶太(ユダヤ)教徒への日本の対策を検討することが今後の課題として残った。
|
Research Products
(32 results)