2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Women's Body, Nursing and Medical Care in History from the Viewpoint of Life, Old Age, Illness, and Death
Project/Area Number |
20320096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Historical studies in general
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
HOSOKAWA Ryoichi Kyoto Tachibana University, 文学部, 教授 (20219190)
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Project Period (FY) |
2008 – 2012
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Keywords | 女性 / 身体 / 看護 / 医療 / 生・老・病・死 |
Research Abstract |
京都橘大学には、文学部・人間発達学部・現代ビジネス学部・看護学部の人文科学・社会科学・自然科学の三つの分野にわたる学部があり、一方、女子大学として出発した経緯を踏まえて、女性歴史文化研究所という女性の歴史と文化をめぐる学際的研究を行う研究機関を擁してきた。ことに女性歴史文化研究所では、女性の身体と、看護・ホスピタリティーに女性が果たした歴史的役割をめぐって、歴史学・看護学の教員を中心に共同研究を行ってきた。今回の研究は、その成果も踏まえて、女性の身体と出産、老・病・死をめぐる問題、また、家族や地域の中で看護・医療に女性が果たした歴史的な役割をめぐって、歴史学・文学・仏教美術史・看護学などの学際的な分野にわたる共同研究を行うことを企図するものである。地域としては、日本を中心としながらも、ヨーロッパ・アジアの諸地域との比較史的な視角も行いながら研究を行う予定である。 これまで、この分野に関わる研究としては、文献史料に依拠した歴史学の立場からの医学史、慈善救済史・社会福祉史、女性史、臨床経験を前提とする看護学の立場からの看護史が個別的な研究分野としてあるが、それらを総合しての女性の身体と看護・医療をめぐる研究はなされて来なかった。本共同研究では、これらの研究、ことに歴史学の分野の研究と看護学の分野からの看護史を学際的に踏まえ、女性の身体と看護・医療、女性の生、老、病、死をめぐる問題を総合的に研究しようとするものである。女性は歴史の中で看護・医療の客体としてのみではなく、自ら看護・医療の主体として家族や地域の中で大きな役割を果たしてきた。その歴史的事実を、近代看護師の歴史のみではなく、前近代をも含めた大きな歴史の中で明らかにしていきたいと考えている。
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