2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20320098
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
浪川 健治 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (50312781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古家 信平 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (40173520)
楠木 賢道 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (50234430)
山下 須美礼 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 助教 (90523267)
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Keywords | 北方観 / 北奥 / 中国 / 北東アジア / 通辞 / 蝦夷地分領 / ハリストス |
Research Abstract |
集積したデータを基にした研究の体系化により、通辞の果たした文化的な役割の外、北方の緊張の高まりとともに動員された弘前・盛岡藩の藩政資料や藩士資料の解明に努め、中国を介した東アジア理解から安政二年以降の欧米を軸とする近代移行期の北方世界に対する認試への変化が、グローバルな世界像として明らかにされつつある。 北海道大学北方資料室のサハリンの幕府領の盛岡藩への引き継ぎ文書群の収集を行ったが,この分析を鋭意行っており、幕末期における東北諸藩の蝦夷地分領の意義と実態の解明を図っている。あわせて盛岡藩あるいは藩士の動向と北方観の解明を図っている。また、吉村雅美(研究協力者・日本学術振興会特別研究員)の協力によって18世紀中期以將の地域における文化の展開を,大畑の村井源助「原始謾筆風土年表」の到達点としてとらえ,情報内容と知のネットワークを解明し,地域における北方観の成立と内容,その広がりを検証した。 楠木は,長崎通辞の歴史的役割を馬場為八郎に注目し、馬場による蘭書からの中国およびロシアに関する情報がどのようなものであり,さらにそれがどのような形で近世日本社会に影響を与えたのか,長崎およびシーボルト事件に連座して配流された亀田において調査を行った。古家・山下は,近代初期にこの地に県立図書館・県立博物館と市内において若干の民俗調査を行った。山下は,近代初期にこの地に根を下ろしたハリストス教会がいかにして受容されたのかを,幕末期における北方観とのかかわりあるいは民俗学的なバックボーンからアプローチし,社会・民俗事象との関係に盛岡藩近世社会の知的世界を見据えて近代への移行にかかわる文化的な影響を考察した。
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Research Products
(4 results)