2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本中世における「山の寺」(山岳宗教都市)の基礎的研究
Project/Area Number |
20320105
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
仁木 宏 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (90222182)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上川 通夫 愛知県立大学, 日本文化学部, 教授 (80264703)
下坂 守 奈良大学, 文学部, 教授 (10150038)
山岸 常人 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00142018)
|
Keywords | 山の寺 / 山岳寺院 / 宗教都市 / 中世都市 / 都市論 / 根来寺 |
Research Abstract |
能登・越中(6月)・出羽(11月)において、見学会・研究会を開催した。現地では、「山の寺」の立地・地形、造成、プラン、交通路などを実地に検証するとともに、発掘調査や地名調査の成果を紹介していただいた。研究会においては、各地の「山の寺]研究の現状、最先端の成果を報告いただいた。考古学、歴史地理学などからする、「山の寺」研究のための方法論についての提起をうけるとともに、「山の寺」の総合調査のための基本的コンセプトを確認した。のべ百人前後の参加者があり、全国的な研究者交流の場として有効に機能した。また、一般市民の参加も得られ、普及啓発の役割もはたすことができた。 12月17~18日、大阪歴史博物館において、総括シンポ「中世『山の寺』研究の最前線」を開催した。小野正敏(人間文化研究機構)「考古学からみた「山の寺」」、藤岡英礼((財)栗東市体育協会)「山寺の平面構造(縄張り)について」、山口博之(山形県立博物館)「東北の山の寺」、浅野晴樹(埼玉県立歴史と民俗の博物館)「関東地方の「山の寺」について-主に武蔵の事例を中心に-」、櫛原功一(帝京大学山梨文化財研究所)「甲信越の山の寺-研究の現状と課題-」、後藤建一(湖西市教育委員会)「三河・遠江境の山寺について-古代から中世山寺の展開-」、中西裕樹(高槻市立しろあと歴史館)「「山の寺」と城郭」、山岸常人(京都大学)「建築から見た山寺」、上川通夫(愛知県立大学)「中世山林寺院の成立と展開」、坂井秀弥(奈良大学)「山の寺と文化財の保存・活用」、宝珍伸一郎(勝山市教育委員会)「北陸の山の寺-白山信仰関連寺院を中心にして-」、大澤研一(大阪歴史博物館)「和泉地域の「山の寺」」、高木徳郎(早稲田大学)「絵図からみる紀伊の山の寺」、長谷川賢二氏(徳島県立博物館)「四国の山の寺-阿波国高越寺を中心に-」、桃崎祐輔(福岡大学)「博多の中国商人と北部九州の山岳寺院」、下坂守(奈良大学)「中世延暦寺末寺の「山の寺」」の各報告を得、仁木宏(大阪市立大学)「新しい「山の寺」研究の方法と成果」で全体を総括した。山村亜希(愛知県立大学)にコメントもいただいた。 現在の「山の寺」研究を全国的視野から解明する画期的なシンポジウムとなった。
|
Research Products
(3 results)