2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Study on Buddhist view of the teaching and study of medieval Buddhist scriptures.
Project/Area Number |
20320107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
NAGAMURA Makoto Japan Women's University, 文学部, 教授 (40107470)
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Project Period (FY) |
2008 – 2012
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Keywords | 仏法観 / 聖教 / 三論宗 / 真言宗 / 真宗 |
Research Abstract |
中世の寺院社会における多彩な教学活動の成果である「聖教」を素材として、その基底にある「仏法」観を明らかにし、その上で中世仏教の教学構造の解明を試みることを研究目的とする。 具体的には、奈良東大寺に伝来する顕教聖教(三論・倶舎)、京都醍醐寺に伝わる真言聖教(事相・教相)、そして伊勢専照寺等に伝わる真宗(宗乗)聖教と余乗聖教等を調査・蒐集し、多彩な形式・内容をもつ聖教の生成と機能について検討を加える。特に諸「宗」の聖教を、その宗教的機能を指標に一定の分類を施し、性格の類似した聖教に記される教学的な内容から、諸「宗」において「仏法」が如何にとらえられ受容されたかを明らかにしたいと考えている。 顕宗聖教では、「宗」という枠を越えた論義の問題を通して、問答における論点の対象に注目している。 真言聖教では、特に事相と教相との対象を意識し、聖教の記述に内在する両者の関係について、意識的に検討する。 さらに真宗諸寺に伝来した真宗聖教(宗乗)と余乗(法相・華厳・天台・真言・因明)の聖教の機能的対照に注目し、真宗教学にとって余乗が如何なる存在意義をもったのかを通して、中世以降における顕密教学の評価を明らかにしたい。
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Research Products
(12 results)