2008 Fiscal Year Annual Research Report
14~20世紀初頭における「朝貢」・「互市」と東アジア世界秩序の変容の研究
Project/Area Number |
20320110
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩井 茂樹 Kyoto University, 人文科学研究所, 教授 (40167276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
檀上 寛 京都女子大学, 文学部, 教授 (60163721)
岸本 美緒 お茶の水女子大, 人間文化創成科学研究科, 教授 (80126135)
松井 洋子 東京大学, 史料編纂所, 教授 (00181686)
黒田 景子 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (20253916)
柳澤 明 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (50220182)
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Keywords | 朝貢制度 / 国際貿易 / 互市 / 日中関係 / 国書 / 外交文書 / 会典 / 漂海咨文 |
Research Abstract |
初年度として,共同研究の中で分担者・協力者それぞれの問題設定と方法が共感し合い,相乗効果を生みだすような関係を構築することにつとめた。12月27日,東京において内部の研究会を開催し,分担者二名による研究報告と,春に予定している国際ワークショップの準備について打ち合わせをした。代表者岩井は,「中国の外交における天朝の表現--日本あて国書,咨文の様式をめぐって」と題する研究報告をした。文献資料に遺された日本への外交文書の形式を網羅的に検討し,唐代までは中国皇帝から私信形式の国書を受けることが慣例であったが,張九齢『曲江張先生文集』に見える「敕日本國王」は例外的であること,北宋・重和元年(1118)に商人に託して届けられた国書は「事大の誠」を要求する内容であり,形式も異例とされたため,「旧例に叶うか否か」の調査がおこなわれたこと,クビライおよび元の成宗の国書は私信形式から詔諭へと変化し,明代になると諸外国へは一律に詔敕の形式で国書が送られたことを指摘した。また,従来知られていなかった『漂海咨文』(手抄本,8冊)中に漂着民送還にさいし州県官が送った「日本国王あて咨文」が複数記録されていることを紹介した。岡本隆司は,清代の歴代会典,会典事例を素材として,朝貢と互市の取り扱いがどのように変化したか明らかにする報告を行なった。2009年2月21日,「"自14世紀至20世紀初之問朝貢與互市以及東亞國際秩序"研討會」と題する国際ワークショップを開催し,中国社会科学院近代研究所から廖敏淑氏を招きいて朝貢と互市についての研究状況について報告してもらい,討論をおこなった。
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Research Products
(2 results)