2009 Fiscal Year Annual Research Report
日中戦争~人民共和国初期の中国における国家と基層社会の構造的変動に関する研究
Project/Area Number |
20320112
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
奥村 哲 Tokyo Metropolitan University, 人文科学研究科, 教授 (80144187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石島 紀之 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 名誉教授 (20106735)
笹川 裕史 埼玉大学, 教養学部, 教授 (10196149)
丸田 孝志 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (70299288)
田原 史起 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (20308563)
山本 真 筑波大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (20316681)
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Keywords | 国家 / 基層社会 / 構造的変動 / 日中戦争 / 国共内戦 / 朝鮮戦争 / 総力戦 / 総動員 |
Research Abstract |
本共同研究の目的は、中華民国から中華人民共和国さらには社会主義体制へという、体制の転換をもともなう大きな変動を、基層社会という深さから把握することにある。そのような構造的変動として捉えることによって、当該時期の中国の動きを近現代史の中で、さらにはより広く世界史的に、明確に位置づけられるであろう。その際我々は、日中戦争から始まり、国共内戦さらには朝鮮戦争と続く、長期にわたる総力戦と総動員に注目する。これこそが基層社会と国家を根底的に変えていき、冷戦下における社会主義体制の形成に向かわせたのである。 こうした見通しの下に共同研究を始め、1年目の12月にワークショップを開催して、日中の比較研究も行なった。昨年度はそれを『ワークショップ戦時下農村社会の比較研究』(汲古書院)にまとめ、成果を共有するとともに、5回の研究会でさらに深めていった。その一方で、各自の対象とする地域で、档案などの史料収集や聴き取りも引き続き行なった。代表者の場合を例に挙げると、これまで四川省を中心に史料収集をしてきたが、昨年度は国際学会参加も兼ねて、貴州省档案館で档案を閲覧した。同档案館によれば、過去に1度アメリカ人が来ただけで、日本人の最初の訪問だという。同档案館では常時数十名の史学専攻の学生をアルバイトとして、詳細な目録作りを行なっており、今後の大きな成果が期待できる。また次頁にあるように、多くの研究成果を公表しているが、とくに鄭・金野の2冊の単蓍は、研究会の大きな成果でもあると言えよう。こうした昨年度の共同研究を基礎に、今年度(22年度)は7月に国際シンポジウムを企画し、またとりあえずのまとめとなる、論文集の刊行を目指している。
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Research Products
(25 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
笹川裕史, 他(飯島渉, 他編)
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Journal Title
「農村社会と政治文化」、『シリーズ20世紀中国史・第2巻・近代性の構造』(東京大学出版会)
Pages: 105-124
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[Journal Article]2009
Author(s)
田原史起, 他(池上彰英・寳劔久俊編)
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Journal Title
中国農村改革と農業産業化(アジア経済研究所)
Pages: 266(233-262)
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[Journal Article]2009
Author(s)
山本真, 他(飯島渉, 他編)
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Journal Title
「農村から見た土地改革」『シリーズ20世紀中国史』3巻(東京大学出版会)
Pages: 167-186
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