2009 Fiscal Year Annual Research Report
中国社会へのモンゴル帝国による重層的支配の研究 元朝史料学の新展開をめざして
Project/Area Number |
20320114
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
村岡 倫 Ryukoku University, 文学部, 教授 (30288633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 久 龍谷大学, 文学部, 准教授 (70319507)
森田 憲司 奈良大学, 文学部, 教授 (20131609)
松川 節 大谷大学, 文学部, 教授 (60321064)
櫻井 智美 明治大学, 文学部, 准教授 (40386412)
船田 善之 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 講師 (50404041)
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Keywords | 東洋史 |
Research Abstract |
代表者および各研究分担者は、新しい視点からの元朝史料学の展開をふまえて、それぞれが専門とする言語・時代・分野ごとに、石刻史料を中心とした元朝の中国支配にかかわる史料の収集・整理を行ない、それらの内容の検討・分析を通じて、モンゴル=元朝による中国支配の解明に努めた。その解明は、グローバル化、ボーダーレス化の進む現代にとっても、大きな意義のあることと考えるからである。 石刻史料に関しては、現地調査が不可欠であり、平成21年度は、中国においては華北を中心とし、北京市・洛陽市・河北省・山西省に現存する石刻史料の調査を行ない、モンゴル国でも石刻や岩壁銘文等の調査を行なった。特に、洛陽市訪問の折りには、現地の多くの研究者と交流を持ち、石刻史料に関する情報を交換した。22年度も、引き続き、現地の研究機関との協力を約してきた。 また、モンゴルの中国支配に関しては、元朝支配層と仏教教団との関係の研究も重要であり、その視点から、華北仏教の元朝時代を中心とした史跡の調査も行なった。さらに、元朝の都・大都(現在の北京)の建設とその権能を通してみた元朝支配の研究を目的に北京市の詳細な調査も行なった。 これらの調査の結果得られた石刻史料を中心とした元朝の中国支配に関わる史料に関する報告の場として、21年度は、代表者が年10回の研究集会を主宰した。さらに、研究成果と新出史料の情報公開のため、ニューズレターとして『13,14世紀東アジア史料通信』を2回発行した。
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