2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Family and Life of Worker in Theory of Labor- and Social Security Law
Project/Area Number |
20330011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Social law
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
MURANAKA Takashi Kyoto University, 大学院・法学研究科, 教授 (80210053)
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Project Period (FY) |
2008 – 2011
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Keywords | 労働法 / 社会保障法 / 家族 / オーストリア / 扶養 / 高齢化 / 生活 |
Research Abstract |
本研究は、労働者保護法や労働契約法上の諸問題、並びに、それらとの関連で社会保障法上の諸問題を検討する際に、労働者(社会保障法の場合は「国民」)の生活上の利益をどのように評価し、それを法理論にいかに取り入れるべきか、という問題を検討するものである。 労働法や社会保障法においては、労働者(国民)の生活の保障ということが重要な法目的の一つであることから、立法論や解釈論を検討するにあたっても、又、具体的な紛争解決にあたっても、労働者(国民)の生活上の利益を適切に法的議論に反映することが必要となる。その際、労働者(国民)の生活は、多くの場合、「家族」という単位で営まれているため、生活上の利益を評価するには、「家族」にまで踏み込んだ評価が必要となる。しかしながら、近年、「家族」のスタイルや機能は大きく変容するとともに多様化しており、ステレオタイプな家族像を前提とした議論は難しくなっている。そこで、本研究においては、「家族」の変容の実相を解明した上で、「家族」の変容とともに変化する労働者(国民)の生活上の利益を、労働法及び社会保障法においてどのように評価し、又、法理論の中に取り入れるべきか、という問題を検討する。 具体的な計画としては、(1)法制度及び法理論における「家族」及び労働者(国民)の生活利益の位置づけに関する知見の獲得、(2)現代家族に関する実証的な知見の獲得、(3)状況変化に基づき法理論に生じている問題の発見、(4)法理論に生じている問題に対する解決策の検討、を、それぞれ段階を踏んで進める。もっとも、(1)と(2)は相互に関連し合う問題であるから、それぞれで得た知見を相互に参照する形で研究を進める。また、(1)及び(2)で得られた知見を基礎に(3)の作業を行うが、(3)の作業の結果、現状認識の再検討を行う必要が生じる可能性があるため、その場合には、再び(1)及び(2)の作業を補充的に行う。 また、研究の手法としては、(1)既存の調査報告等を含む資料・文献に基づく分析、(2)インタビューなどによる現状認識、(3)申請者、連携研究者、海外共同研究者相互間における討論を中心とする比較法研究を中心とする。その際、(3)を重視し、ヨーロッパ及び日本における現状分析と理論のあり方を比較対照することにより、それぞれにおける問題点の解明と解決方法の模索を図る。
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Research Products
(9 results)