2009 Fiscal Year Annual Research Report
過剰収容時代における非拘禁的措置としての社会奉仕命令及び電子監視に関する比較研究
Project/Area Number |
20330015
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
土井 政和 Kyushu University, 大学院・法学研究院, 教授 (30188841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 宜裕 九州大学, 大学院・法学研究院, 准教授 (70365005)
武内 謙治 九州大学, 大学院・法学研究院, 准教授 (10325540)
金澤 真理 大阪市立大学, 法学部, 教授 (10302283)
正木 祐史 静岡大学, 法務研究科, 准教授 (70339597)
佐々木 光明 神戸学院大学, 法学部, 教授 (70300225)
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Keywords | 非拘禁的措置 / 電子監視 / 社会奉仕命令 / 刑の一部執行猶予 / 社会的援助 / 保護観察 |
Research Abstract |
本研究は、第一に、社会内処遇に関する実態調査等に基づく理論的・実証的研究を行い、また、社会奉仕命令や電子監視等の新たな議論についても検討を加えて、21世紀にふさわしい理想的な社会内処遇のあり方を追求すること、第二に、更生保護関係法令を全面的に見直し、更生保護に関する基本法となる立法案「更生保護基本法要綱案」(以下、「要綱案」)を策定することを最終目的とする。 2009年度においては、社会奉仕命令や電子監視の2点に、法制審議会刑事法部会(被収容者人員適正化方策に関する部会)で論点となっていた刑の一部執行猶予制度を加えて、検討を行った。社会奉仕命令(社会貢献活動)や刑の一部執行猶予制度についてはその導入の方向が見られたからである。また、比較法研究としては、すでに社会奉仕命令や電子監視の制度を導入している諸外国の運用・議論の調査を行った。アメリカ、カナダ、オーストラリアを中心に文献的検討を行ったほか、これまでに行った韓国、オーストラリア調査の内容を取りまとめ、年度末には台湾調査を実施した。理論研究としては、電子監視についてはその歴史的経緯をもふまえた問題点の検討を、また、社会奉仕命令、刑の一部執行猶予制度および中間処遇制度については、法制審議会における議論を念頭におきつつその問題点の検討を、それぞれ行った。今後さらに、スウェーデン、イギリス、アメリカの調査を実施し、国際シンポも開催する予定である。 これまでの研究により、ソーシャル・インクルージョンの視点からの社会内処遇における基本思想をベースにして、社会的援助による生活再建(社会復帰)のあり方を探求してきた本研究のスタンスからは、上記各制度の導入については種々の問題が表れていることが看取できた。その成果としての、各論点に関する問題点の所在と検討の視点および諸外国の制度紹介については、近々に紀要に公表する予定である。
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Research Products
(7 results)