2008 Fiscal Year Annual Research Report
弱者包有的災害復興法学の考察-補償・居住福祉・地域再生との関係で
Project/Area Number |
20330019
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 邦彦 Hokkaido University, 大学院・法学研究科, 教授 (00143347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 和男 神戸大学, 名誉教授 (60116241)
人見 剛 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30189790)
池田 恒男 龍谷大学, 法学部, 教授 (60092128)
今野 正規 関西大学, 法学部, 講師 (10454589)
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Keywords | 災害復興 / 震災 / 火山活動 / 補償 / 中山間地 / 居住福祉 / 地域再生 / 津波 |
Research Abstract |
初年度の計画としては、災害復興に関する基礎的データの地道な集積を行った。 (1) 第1に、震災復興との関連で、神戸長田の再開発調査(6月。さらに、8月シンポ)を皮切りに、新潟中越沖地震の調査(柏崎の中心地空洞北状況、刈羽原発被害の調査・廃炉集会への参加)(6月)、宮城・岩手内陸地震の調査(12月)を行い、隣国の中国四川省の震災調査、さらに災害復興の顧問の方と対談し、居住福祉の見地からのアドヴァイスを提示した(8月)。さらに、原発の震災リスクの検討も続けている(これとの関係で、青森県六ケ所村核燃料サイクル施設の調査(12月)も行った)。 (2) 第2に、火山活動との関連についても、一時は、集落移転の措置が取られた三宅島および有珠山の調査を行った。三宅島調査(7月)では、高濃度指定地区(坪田、阿古の集落)では、ここでは深刻な居住崩壊現象が生じていることを確認した(宮城・岩手内陸地震における耕英地区でも類似の問題を抱える)。また、岡田弘教授などを交えて行った有珠山調査を行い(12月)、特にハザードマップによる防災措置のなし崩し的廃棄の所以・経緯・現実を確認した。これに関連して、ハワイ島のキラウエア火山活動に伴う問題の調査、津波被害及びその後の法制調査(1946年、1960年)も行った(6月)。 (3) 復興支援ないし災害補償法制の検討としては、被災者生活再建支援法の制定過程、その後の動向の調査を進め、成果の公表も行ったが、さらに深めた考察を継続したい。また海外の類似問題として、アメリカのカトリーナ被害などとの比較研究を進めていきたい。 (4) 災害復興との関連で、中山間地・地方都市の再生問題にも取り組み(能登震災、新潟中越沖地震は、災害が中山間地問題を増幅させている)、岩手西和賀町(沢内村)での居住福祉サミットの開催(9月)、コンパクト・シティによる活性化の目米比較調査を行い(12月〜2009年1月)、その成果も公表したが、今後とも継続させていきたい。
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Research Products
(13 results)