2011 Fiscal Year Annual Research Report
経済的相互依存と対外経済政策の変容の研究-政府と国内集団の関連についての実証分析
Project/Area Number |
20330032
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古城 佳子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30205398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 融 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (00242066)
清水 剛 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (00334300)
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Keywords | 経済的相互依存 / 経済のグローバル化 / 日本の対外経済政策 / 国内集団 / 国際制度 |
Research Abstract |
本研究は、国際関係における経済的相互依存が深化し、モノ、カネ、ヒト,情報が国境を越えて短期的に大量に移動するいわゆる経済のグローバル化と呼ばれる現象が一層進んだ90年代以降において、経済のグローバル化がどのように日本の対外経済政策に影響を与えているのかを、諸集団(特に業界団体における)に焦点を当てて体系的に明らかにすることを目的とした。具体的には、経済のグローバル化が諸集団に与える配分的影響を明らかにした上で、各産業セクターの利益代表である産業集団の対外経済政策についての選好を調査し、対外経済政策形成過程の変容を実証的にとらえることである。本研究では、80年代以前に対外経済政策決定に影響力があると考えられていた業界団体が対外経済政策過程で役割を変化させていると想定した。その理由は、経済のグローバル化から異なる影響を受けることにより、業界団体間の選好の相違、業界団体内のメンバー(企業等)間の選好の相違を拡大させることになり、80年代以前より同種の業界団体が同一の政策選好を表出しにくくなっている、ということが考えられる。本年度は、約900の諸集団(業界団体、労働団体、消費者団体)の調査を行った結果を分析した。その結果、業界団体と官僚、業界団体と政治との関係は80年代以前と比べ変化は少ないこと、グローバル化の影響に対して業界団体として積極的に行動をとる団体が少ない、といった点を確認した。業界団体のメンバー間にグローバル化に対する認識の差が出て来ていることが、業界団体の活動を消極的にしているという解釈が成り立つ。この点については、更に分析を行う余地が残されているが、対外経済政策決定過程における業界団体の役割の変化に示凌を与える結果を得た。
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Research Products
(5 results)