2010 Fiscal Year Annual Research Report
多重ネットワーク分析指標を用いた新たな経済指標の検討
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20330060
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Research Institution | Research Institute of Economy, Trade and Industry |
Principal Investigator |
玉田 俊平太 独立行政法人経済産業研究所, ファカルティフェロー (60312790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相馬 亘 日本大学, 理工学部, 准教授 (50395117)
藤原 義久 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, メディア情報科学研究所, 研究員 (50358892)
青山 秀明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40202501)
家富 洋 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20168090)
井上 寛康 大阪産業大学, 経営学部, 准教授 (60418499)
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Keywords | 空間経済学 / ネットワーク / イノベーション |
Research Abstract |
企業間の取引と特許の発生に着目し、現在の日本の企業間イノベーションシステムがどのように構築されているかを分析した。データとして100万の企業をノード(頂点)とし、それらの間における取引および特許共同出願という2種類のリンク(紐帯)からなる多重ネットワークを分析した。分析には産業連関表、ERGモデル、および、ベイジアンネットワークの3つを用いた。 産業連関表の分析から、取引金額よりも取引件数の方が共同出願により影響を与えているであろうことが推測された。つづいてERGモデルに基づく分析から、企業間の取引は双方向になり、取引と特許の共同出願は同時に発生しやすいことが明らかとなった。最後に、ベイジアンネットワークに基づく分析から、企業間の取引関係が判明すれば、特許の共同出願と産業の種類は独立になることがわかった。 本研究により、取引金額の多寡よりも、取引件数の多寡の方が共同研究開発の件数と相関が高いことが明らかとなった。この結果は、ERGモデルを用いた分析でも支持されている。取引関係と特許共同出願関係の両方が起きる確率は、ランダムな場合の確率より有意に高かった。この結果から、何度も取引を重ねて信頼関係が醸成された企業同士が共同で研究開発を開始したり、共同研究開発の遂行を通じて信頼関係が構築された企業同士で取引が生じたりするという、企業間の信頼関係の醸成に伴うトランザクションコストの低下、それを通じた企業間関係の進展という関係が推測される。 ベイジアンネットワーク分析の結果では、企業間の業種の組み合わせという変数が加わってもなお、取引と特許共願の有無という変数の間の結び付きは崩れなかった。イノベーション促進策として異業種のマッチングが一般的に推進されるが、そのように業種の組み合わせに注目することよりも、すでに醸成された取引関係の方が、共願関係の新たな生成に強い裏付けを与えるといえる。
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Research Products
(28 results)
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[Journal Article] Fluctuation-dissipation theory of input-output interindustrial relations2011
Author(s)
Iyetomi, H., Nakayama, Y., Aoyama, H., Fujiwara, Y., Ikeda, Y., Souma, W.
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Journal Title
Physical Review E
Volume: Volume 83, Number 1
Pages: id.016103
Peer Reviewed
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[Journal Article] Analysis of labor productivity using large-scale data of firm's financial statements2010
Author(s)
Ikeda, Y., Souma, W., Aoyama, H., Fujiwara, Y., Iyetomi, H.
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Journal Title
European Physical Journal B
Volume: Volume 76, Issue 4
Pages: 491-499
Peer Reviewed
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