2008 Fiscal Year Annual Research Report
研究開発職のモチベーションと創造性に影響を与える新たな人的資源管理に関する研究
Project/Area Number |
20330089
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
藤本 哲史 Doshisha University, 総合政策科学研究科, 教授 (50278313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 喜文 同志社大学, ビジネス研究科, 教授 (50207809)
八木 匡 同志社大学, 経済学部, 教授 (60200474)
玉田 俊平太 関西学院大学, 経営戦略研究科, 准教授 (60312790)
宮本 大 流通経済大学, 経済学部, 講師 (30434682)
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Keywords | 人的資源管理 / 研究開発職 / ワークライフバランス / モチベーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、わが国の企業によるワーク・ライフ・バランス支援の取り組みが、能力開発制度と補完的に作用しあいながら、研究開発技術者の仕事に対するモチベーションおよび創造的職務成果に対してどのような影響を与えるかを探ることを通して、高付加価値研究開発技術者のキャリア開発に有効な新たな人的資源管理のあり方を検討することにある。2008年度は本研究における問題意識の整理と独自調査に向けた仮説抽出のために、文献調査を行うと同時に、大型既存データの分析を行った。まず、電機連合が2008年に実施した「高付加価値技術者のキャリア開発に関する調査」のデータを利用して分析を行った。分析には、技術系組合員を対象とした個人調査データを用い、人的資源管理施策が研究開発技術者のワーク・モチベーションに与える影響について探った。その結果、特に研究者の意欲向上には企業による能力開発の取り組みが重要であることが明らかになった。このデータにはワーク・ライフ・バランスに関する指標が盛り込まれていなかったため、ワーク・ライフ・バランスの効果については、電機連合が2006年に実施した「仕事と生活の調和に関する調査」によるデータを利用して2次分析を行った。この分析により、一般的に、職務特性としての仕事の心理的要求度と職務自律性の適切な組み合わせにより、労働者のモチベーションが向上する可能性が示された。しかし、データの特性上、研究開発技術者に焦点をあてた分析は困難で、技術者のワーク・ライフ・バランスの効果を探るためには、独自の調査が必要であること示された。これらの分析結果は、本年度2つの論文として学術誌に掲載した。2008年データの分析結果については、2008年12月に2回に分けて開催された研究フォーラムで報告を行い、参加した多くの技術者から意見が寄せられた。これらの意見は質的に重要なもので、2009年度に予定される独自調査の設計および展開に大いに参考に資するものとなった。
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Research Products
(8 results)