2010 Fiscal Year Annual Research Report
日系ブラジル・ペルー人のソシオセントリック・ネットワークの機能の社会学的調査
Project/Area Number |
20330102
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
児玉 克哉 三重大学, 人文学部, 教授 (50225455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 眞夫 三重大学, 人文学部, 教授 (20136576)
藤本 久司 三重大学, 人文学部, 准教授 (40345963)
江成 幸 三重大学, 人文学部, 准教授 (20269682)
石阪 督規 三重大学, 人文学部, 准教授 (70324499)
立川 陽仁 三重大学, 人文学部, 准教授 (20397508)
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Keywords | 日系ブラジル人 / 日系ペルー人 / 外国人労働者 / ネットワーク社会 / 多文化社会 / エスニックグループ / インフォーマル・ネットワーク / 異文化 |
Research Abstract |
最終年度は、初年度、2年度の調査結果をもとに、補充的な調査を行い、主として調査データの集約・整理と分析を行なった。要素を整理しながら、何が重要なポイントであるかということを確認していく作業を積み重ねた。国や地域・都市の歴史的背景、在住外国人の違い、都市の規模、多様性と単一性の程度、社会階層の状況、教育水準、言語や文化の親密度、市民社会の成熟度、国や自治体の政策の方向性などの要素を吟味しながら、日系ブラジル人と日系ペルー人のネットワークを分析した。フォーマルなネットワークとともにインフォーマルなネットワークの機能が非常に重要な役割を果たしていることが分かった。ポイントを3つに絞って調査をした。1)ブラジルやペルーの日系人団体の主要メンバー、2)日本から帰国した日系人、3)自治体関係者・政策決定者の3つのカテゴリーであり、それらのフォーマル・インフォーマルな関係を整理、分析した。このようなインフォーマルなネットワークを分析することによって、日本における日系ブラジル人団体や日系ペルー人団体がどのような影響力を持ち、どのような方向性で多文化社会の創造に加わっているのかが考察できた。またこうしたエスニックグループ内のネットワークだけでなく、それと日本人とのネットワーク、他のエスニックグループとのネットワークについても調査・分析した。このメカニズムを明らかにすることは、多文化社会の創造へのエスニック団体の関与をより効果的にし、様々な市民団体の総合的なネットワーク化を推進するなどの実践的な意義の他に、ネットワーク社会論などへの学術的な貢献も期待できると考えられる。
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Research Products
(2 results)