2011 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠産褥期の母親のメンタルヘルスと幼児期の虐待傾向
Project/Area Number |
20330142
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
本城 秀次 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 教授 (90181544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 一史 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 准教授 (80345876)
野邑 健二 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 特任准教授 (50345899)
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Keywords | 妊婦産褥期 / 抑うつ / 母親愛着 / 児童虐待 / メンタルヘルス |
Research Abstract |
「研究の目的」 妊娠産褥期より、母親の抑うつ、母親-胎児愛着などの母親のメンタルヘルスにかかわる要因を前方視的に連続して測定し、子どもが3歳になるまでの母子関係、母親の子どもに対する虐待傾向などについて検討する。 「研究実施計画」 われわれは名古屋大学附属病院産科を受診した妊婦を対象に妊娠初中期より前方視的に調査を実施している。調査時点は妊娠初中期、妊娠後期、産褥期、産後1カ月、産後6カ月、1歳、1歳半、2歳、2歳半、3歳の時点である。質問紙の内容は、各調査時点で異なっているが、母親の抑うつ、母親の子どもに対する愛着等を測定する尺度は、主要な質問紙として各時期の質問紙に含まれている。 このような研究計画にのっとり今年度も調査を継続した。これまでの調査人数は、初回の調査では、738名、妊娠中期784名、妊娠後期773名が集まっている。出産後のデータについてもデータの整理打ち込みを順次行っている。産後のデータについては、これまでの調査研究で、十分に満足のいくデータ数が集まったわけではないが、統計的解析に耐えうるだけのデータ数が集まったと考えられる。統計的解析に耐えうる数のデータが集まったことにより、今後はデータの分析を行い、論文の形に纏めることに専念する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
妊産婦と子どもの関係性をめぐる問題について研究会を組織し、役割を分担し、調査研究活動を推進してきた。また、定期的にミーティングを行ってきた。そのような活動の中で、調査資料はかなりの量、収集されてきた。そうした点で研究は順調に進展しており、ほぼ満足のいく結果である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度においてデータの収集は終了した。今後はこれらのデータのうちまだデータの打ち込みが終わっていないものを早急に整理し、資料の分析に力を集中することにする。そうした分析を通して、妊娠期からの母親の抑うつ、母親-胎児愛着等の要因が、生後の母子関係にどのような影響を与えるかを検討する。そのような研究を通して、児童虐待のメカニズムを明らかにすることによって、児童虐待を予防するような治療的介入のあり方を検討する。
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