2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナラティヴアプローチによる治療的意味生成過程に関する研究
Project/Area Number |
20330143
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森岡 正芳 Kobe University, 人間発達環境学研究科, 教授 (60166387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 直樹 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 教授 (80264745)
佐藤 達哉 立命館大学, 文学部, 教授 (90215806)
岸本 寛史 京都大学, 医学系研究科, 准教授 (90397167)
山口 智子 日本福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (00335019)
野村 晴夫 奈良女子大学, 文学部, 准教授 (20361595)
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Keywords | 心理療法 / ナラティヴ / 対話的自己 / 質的研究 |
Research Abstract |
本研究は治療的会話としてのナラティヴアプローチの特徴を、セラピーに固有の関係性の質という観点から明確にし、臨床的適用の可能性を探ることが目的である。ナラティヴが新しい意味を生み、自己の再構成へとつながるはたらきをとらえるにあたって、会話の担い手たちの関係性および時間要因、そして社会文化的文脈の要因が重要であると考えられる。平成20年度において研究グループは、ナラティヴアプローチに関わる内外の文献を収集し、内外の実践研者との情報交換を行った。研究分担者および研究協力者は合計11回の合同研究会を行い、緊密に連絡を取り合ってこの作業を進めた。この研究会は「ナラティヴ科研神戸土曜セミナー」として公開し、多くの若手研究者の参加を得、活発な議論が行われた。平成20年度の研究会内容の一部は『ナラティヴ心理学年報創刊号』として刊行予定である。研究グループはそれぞれのフィールドにおいて、ナラティヴのミクロ分析のための資料収集を行ってきた。セラピーやさまざまな援助場面において会話場面を抽出し、会話のなかでの意味生成プロセスを明らかにしていくための基盤となる資料の収集である。以上について検討するなかで、ナラティヴが感情をコントロールする治療的要因について、研究代表者を中心に自傷に関わる臨床事例を取りあげ検討した。その一部について第5回対話的自己論国際会議(2008年8月ケンブリッジ大学)にて口頭発表を行った。また合同研究会のなかでナラティヴと時間要因に関わるテーマが抽出された。このテーマは引き続き次年度において集中課題として取りあげ、日本心理学会第73回大会シンポジウム(2009年8月立命館大学)で発表する予定である。
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Research Products
(5 results)