2009 Fiscal Year Annual Research Report
乳幼児における共感性・道徳性の発達:縦断的研究と神経倫理学的研究
Project/Area Number |
20330150
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
板倉 昭二 Kyoto University, 文学研究科, 准教授 (50211735)
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Keywords | 共感 / 乳児 / モラル / 心の理論 / 感情理解 / 脳波 / 選好注視 / アイトラッカー |
Research Abstract |
今年度も、昨年度に引き続き、縦断研究のデータ分析および、同一被験児に対して心の理論のスケール課題(ToM scale)と感情理解テスト(TEC : Test of Emotion Comprehension)を実施した。解析は、5歳時点のデータが全てそろってから行う予定である。また、共感行動の発達を検討するために、幾何学図形に攻撃的動きと被攻撃的動きを付与し、乳児がどちらの刺激に対して選好を示すのかを調べるために、まず刺激を開発し、妥当性を確認するため、成人を対象に実験を行った。コンピュータスクリーン上に、2つの幾何学図形(正方形、円形)を呈示した。一方は、他方の刺激をヒットしたり押しつぶそうとしたりする、いわゆる攻撃的な行動を示すようプログラムされた。例えば、正方形が円形を追いかけまわし、攻撃を加え、円形はひたすら逃げ回るといった具合である。この刺激の呈示中に、被験者がどちらの刺激を見ているかを調べるために、アイトラッカーを用いた。その結果、成人では、被攻撃側の刺激をよりよく見る傾向が示された。さらに、刺激呈示後、2つの刺激を呈示し、選好注視させた。しかしながら、2つの刺激に対する注視時間に差は見られなかった。来年度は、同様の方法を用いて、乳児を対象に実験を行う予定である。また、このような刺激を見ているときの脳活動を調べるため、脳波を用いて計測する予定である。さらに、縦断研究の結果を、初期の社会的認知との関係で記述する予定である。
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Research Products
(10 results)