Research Abstract |
本年度は,3次元動的幾何ソフトによる空間図形の探究的な学習用Webサイトの構築に関して,次の2点について成果を得た。 ●小学校算数科における空間図形の探究的な学習の教材開発 我が国の小学校算数科における図形学習で現在扱われている素材(例えば,立方体,直方体,球等)と,扱われていない素材(1点透視図等)のなかから探究的な学習が可能な素材を選定し,小学校学習指導要領における各素材の位置づけを確認した。そして,現在扱われている素材については,小学校算数科の教科書(6社)において,その素材をもとに意図されている学習内容・活動を比較・検討した。その上で,素材に基づくコンテンツの開発に向けて,子どもが図形の特徴や性質等を探究的に学習できるようにするための学習指導の展開を考案した。 ●空間図形の探求的な学習を可能にするコンテンツの企画 考案された学習指導による空間図形の探求的な学習を整理するために,基本的な枠組みとして,[内容(3次元,3次元⇔2次元)×活動(つくる,よむ)]を設定し,企画しようとするコンテンツの位置づけを明確にし,必要以上の重複がコンテンツに生じないようにした。その上で,子どもが図形の特徴や性質等を探究的に学習できるようにするための学習指導の展開に基づいて,コンテンツの画面構成,画面展開,必要とされる3次元動的幾何ソフトのファイルやフラッシュ,これらの関連づけ等についてWebコンテンツ開発業者とともに検討した。この際,空間図形の探求的な学習を可能にするために技術的な諸問題が明らかになり,解決の可否についても検討した。
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