2010 Fiscal Year Annual Research Report
学校教師の力量形成を志向した授業研究の方法論に関する研究
Project/Area Number |
20330190
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
藤原 顕 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (60261369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森脇 健夫 三重大学, 教育学部, 教授 (20174469)
木原 成一郎 広島大学, 大学院・教育学研究科(研究院), 教授 (20214851)
松崎 正治 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (20219421)
吉永 紀子 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (30344823)
村井 淳志 金沢大学, 人間社会学域学校教育学類, 教授 (90219866)
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Keywords | 教師 / 力量形成 / 授業研究 / 校内研修 / 授業の本質論 / 教育(カリキュラム)政策 / FD |
Research Abstract |
本年度(最終年度)の課題は、前年度までに着手されてきた、小学校教師へのインタビューや質問紙調査、中学校における校内研修会の参与観察等を踏まえつつ、授業研究を軸とした校内研修を巡るフィールドワークをより充実させること、および校内研修システムとしての授業研究論と教師の力量形成論、授業や学習のあり方に関わる授業の本質論、教育政策と教師教育の関連に関わる授業の制度論、研修システムとしてのFD論に関する先行研究の検討を深めつつ、そこから得られた知見に即して、フィールドワークで得られた知見を相対化しながら、本研究の成果として提起すべき授業研究のデザインを構築していくことであった。 フィールドワークについては、初任期・中堅期という教職のステージを視点とした力量形成に関する質問紙調査やインタューが遂行された。成果としては、初任期の力量形成において、初任教師とメンター的な、あるいはコ・コーチング的な同僚教師との関係性が、校内研修としての授業研究の場に有意に影響を与えるという知見が得られている。また、中堅期の力量形成において、研究主任等、校内研修をコーディネイトしていくような役割取得が、従来とは異なった視点からの自身の実践の把握や研修を巡る同僚関係の調整能力形成といった、教師力量の拡張を促す要因であるという知見が示唆されている。 さらに、上記の先行研究の検討から、これまでの3年間のフィールドワークで得られた知見に基づいた、校内研修としての授業研究デザインの構築では、校内研修としての授業研究に参加する教師が得る発見的認識の重要性、研修コーディネータ役の教師が備えるべき資質の明確化の必要性、ロールプレイングやリフレクション・スキル等を活用したFD研修モデルを参照していくことの必要性等が、考慮されるべきであるという知見が得られている。
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Research Products
(40 results)