2008 Fiscal Year Annual Research Report
平均場方程式で記述される非線形臨界現象の解析的研究
Project/Area Number |
20340034
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 貴 Osaka University, 基礎工学研究科, 教授 (40114516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三沢 正史 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (40242672)
高橋 太 大阪市立大学, 理学部, 准教授 (10374901)
内藤 雄基 神戸大学, 工学部, 准教授 (10231458)
大塚 浩史 宮崎大学, 工学部, 准教授 (20342470)
杉山 由恵 津田塾大学, 学芸学部数学科, 准教授 (60308210)
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Keywords | 解の爆発 / 臨界ソボレフ指数 / タイプIIの爆発レート / コラプスの衝突 / サブコラプスの生成 / 量子化する爆発機構 / Smoluchowski-Poisson方程式 / 双対変分原理 |
Research Abstract |
非平衡熱力学・乱流平均場・自己相互作用流体・ゲージ理論に関わる方程式について,質量保存や自由エネルギー減衰などの変分構造と自己相似性に代表されるスケーリングを用いて解の爆発機構を研究し,特に量子化・爆発レート・サブコラプスの生成・コラプスの衝突に関する統一的なシナリオの糸口を得た.成果の第1は全空間で定義された臨界ソボレフ指数の半線形放物型方程式であり,回転対称性のない場合に爆発の閾値を初めて証明した.次に閾値係数の解の爆発について考察し,有限時間で起こるとすればタイプIIでコラプスの衝突が発生していることを明らかにした.次に重要な成果はkinetic-transport理論から導出される退化放物型方程式の解の爆発機構の量子化に関する先駆的研究であり,変分構造とスケーリング則からまさに空間2次元のSmoluchowski-Poisson方程式の高次元版とみなされること,その一方で質量・自由エネルギーに対峙する2次モーメントの役割が本質的に異なることを明らかにし,新たな解析法を開発してタイプIIの爆発点の有限性などの極めて斬新な結果を得た.この構造はEuler-Poisson方程式・非線形Schr\"odinger方程式にも共通するもので,退化放物型方程式に関するこの研究は半線形放物型方程式に関する前記の成果と合わせて今後の高次元爆発機構解明にひとつの指針を与える仕事と思われる.またAtlantis PressからMean Field Theories and Dual Variationを出版し,これまでの成果を統合して今後の研究の方向を与えた.この中ではとりわけ記憶形状合金方程式について力学安定な自明でない定常解の存在を証明したことが特筆される.
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Research Products
(54 results)